HARRY POTTER(親)
□第2話
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今、荊は漏れ鍋の一室で眠っている。
何故、此処にいるかと言うと・・・
* * *
「荊、誠に残念なんじゃが、
一緒に買い物に行けなくなってしまった。」
「・・・・・・?」
ダンブルドアの突然の発言に荊は首を傾げた。
荊の現在の住居はホグワーツである。
新学期まで日があるので、荊は各科目の先生方から特別授業を受けている。
勿論、4年生から参加が認められているダンスパーティーのレッスンも。
また、何故か女子パートだけではなく、男子の方も・・・。
しかし、荊は目がほぼ視えないにも関わらず、優秀で呑み込みが早く、一度覚えたことは忘れなかった。
その結果、あっという間に、4年生までの勉強を終わらせてしまった。
「少し用事が出来てしまってのぅ。
一緒に行けなくなってしまったんじゃ・・・。」
ダンブルドアはとても残念そうに言うが、
荊は何も思わないのか、
「・・・分かりました。
買い物には一人で行きます。」
そう淡々と言った。
それには、流石のダンブルドアも悲しくなった。
「(もう少し、甘えて欲しいのぅ・・・)
じゃが、荊一人では場所が分からんぞ?」
荊は少し考えると、顔を上げた。
「マクゴナガル教授に地図を書いてもらう事にします。」
「そうじゃの・・・わかった。
それは、わしから頼んでおこう。」
「い、いえ・・・自分で・・・・・・」
荊は自分で頼むと言おうとしたが、どのみち、一緒に行けないから等を言って、押し切られると思い、頷いた。
ダンブルドアはそれを満足気にみると、荊の手に金色の鍵を差し出した。
荊はその鍵を受け取り、一応確認のためにそれを触るが、何の鍵かはわからず、ダンブルドアを見た。
「それは、荊の金庫の鍵じゃ。
金庫の中身は君のものじゃから、好きに使いなさい。」
「・・・有難うございます。」
「今更何を言っておる。
わしは孫のためなら、何でもするぞ?」
と言って、ダンブルドアは悪戯っぽく笑った。
* * *