HARRY POTTER(親)
□第3話
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―――― そして、9月1日
荊はいつもと同じ様に起きると、
洗面所で顔を洗い、着替えて、朝食を食べる為に下へと下りた。
そして、いつもの様にトムがにこやかに挨拶をしてきた。
「やぁ、荊。おはよう。」
「おはようございます。」
トムはコーヒーを入れて、荊に差し出した。
荊はお礼を言い、一口飲むと、
朝食の準備をしてくれているトムが話しかけた。
「いよいよだね?」
「・・・えぇ。」
「昨日は良く眠れたかい?」
「・・・いつも通りです。」
「まっ、そうだろうとは思っていたよ。」
少し苦笑しながら、出来上がった朝食を荊の前に差し出した。
荊はそれを手を合わせてから、無言で食べ始めると、
お客もまだ来ていない店内は静寂に包まれた。
しかし、それは2人にとって不快なモノでは無かったので、
共に口を開こうとはせず、その空気を保っていた。
その後、荊は部屋に戻ると、荷物のチェックを念の為にもう1度して、
忘れ物が無いことを確かめると、トムにお礼を言ってから駅へと向かった。
* * *