【本編】

□【本編】十話
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「毎日毎日買いにいくのも面倒ですが、わたしの美しく完璧なお母さまの唯一の欠点が、……料理ですのよ。お弁当とかは無理」

「そっか、わたしはお姉ちゃんにつくってもらってる。ね、今日もお弁当なんだけど一緒に食べない?」

「何であんたと――」

「相談したいことがあってさ、……だめ?」

 素直な気持ちを訴えて見つめると、とまとは荒っぽい印象に反してたいへん良い子だ、むうっとくちびるを尖らせてから。

「だめって言っても、あなたはつきまとってくるんでしょ?」

 つんと澄まして言うので、茄后美は「えへへ」と笑うと、彼女と腕組みをする。何だかんだで、さいきん仲良しなふたりである。


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