【掌編】
□【掌編】十五話
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「あっち!?」
火なんか、ふつうに生きていたらあまり見ることもない。珍しくて、ぼうっと眺めていたら指先に熱を感じ、慌ててマッチを落とすと、靴底で踏みつけて消す。
情けない、誰にも見られなくてよかった――。
「何してますの、軍辞?」
不意に、背後から声をかけられた。
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