【掌編】
□【掌編】十七話
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「ん……」
くぐもった声で、独りごちた。
「そうだね、みっちゃんはいつも正しいよ――じゃあ、どうぶつをプレゼントするのもいいかな。もうしばらくは
、何もないはずだし。あたしも……」
そのあと何を囁いたのかは、人混みのざわめきのなかで聞きとれなかったけど。
ぎゅっ、と珍しくデイジーのほうから、強く手を握り直してきた。
「あったかいほうが、嬉しいもんな――」
その寂しげな横顔を、どうにかしてあげたくて。
でも、何もできなくって。
× × ×