【掌編】

□【掌編】十七話
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 その日から、あたしの生活は一変した。
 ごく小規模に、けれど根本的に。
 デイジーは、変な娘。

 いつも落ちついて飄々としているかと思ったら情緒不安定で、不意にわけのわからない理由で泣いたり怒ったりする。孤高を愛するように見えてときおり酷く甘えんぼで、ひとに慣れない野生動物みたいだ。
 男の子みたいなのに、ときどき艶めかしくて。

 他人を突き放すみたいに、ぶっきらぼうに喋ったときこそ――いちばん聞いてほしくてたまらない、本音だったり。
 彼女とすごした時間は、あとから思いかえしてみると驚くぐらいにほんのわずかで。

 けれど、あたしにとって何よりも濃密で――輝いている、何にも代え難い宝物みたいな日々だった。

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