【掌編】

□【掌編】十九話
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 けっきょく。

 僕はぐったり疲れた身体を引きずるようにして、坂上田村麻呂中学校を歩いていた。

 誠が役立たずなせいで余計な苦労に巻きこまれたが、ともあれ結果としては上々だったのではないか――ドッジボール対決は結局、熱血していたとまとの勢いに圧されて僕がアウトになり、すぐに終わったんだけど(だいたい、僕に死力を尽くしてドッジボールをがんばる理由などないのだ)。

 軍辞はさすがにまた同じような騒動に巻きこまれてもかなわんと思ったのか、野球部との話しあいの席についてくれることを約束してくれた。

 つまり誠も役目を果たし、僕もこれ以上はよくわからん他人の因縁に振りまわされることもないだろう。

 まぁ、軍辞もいつまでも誠のような胡散臭いのにつきまとわれたくなかったのだろうし、本人も野球部の件についてはけじめをつけたかったのだろう。野球部も、健康的な集団だし、そう昼ドラ展開にもならんはずだ。

 誠も晴れ晴れした態度で「じゃ、そういうことで」と去っていき、僕は〈秘密結社〉の美血留とかいうひとの視線が痛かったので(なぜか、彼女はずっと僕を注意深く観察しているように思えた)そのまま〈アジト〉をあとにした。
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