【掌編】

□【掌編】十九話
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「とりあえず、てきとうに始めるぞ」

 軍辞はやることはきちんとやるタイプなのか、意外と真面目だ――空き地に棒で線を引いて、簡易にラインを区切った。

「この内側でドッヂボールな。二対二だし、こんぐらいの広さでいいだろ。このラインからでたら失格。先に自分のチームが全滅したほうの負けってことで。ヒットしたら外にでること」

「うん、それでいいよ」

 誠にとってもわりと他人事の勝負だ、気楽にルールを承認する。

「当てられて外野にでたら、もうゲームには参加できないってことにしよう。二対二だし、単純なほうがいい。誰にも当たらなかったルーズボールは、悪いけどそっちのお姉さんたちが拾ってくれる?」

「はいはい、了解」

 美血留が宿と姉妹みたいに手を繋いで、立ちあがる。

「外れたボールを拾うのはいいけど、その場合はどっちのボールになるの?」

「一回交代とかでいいんじゃないかな?」

 誠が応える。テキパキと決まってくなあ。

 軍辞が心配そうに、美血留を見て。
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