【掌編】
□【掌編】十九話
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「美血留さん、気をつけてくださいよ。外れたボールがそっちに飛ぶかもしれないし、ちゃんと避けてください。また鼻血だしたくないでしょう?」
「わかってるわよ。ありがと、軍辞くん。いざとなったら宿を盾にするし、ね〜♪」
「…………」
相手が聞いてないと思って外道なことを言ってる美血留さんである。
「ほんじゃ、そんな感じで」
誠がお散歩に向かうような歩調で、コートのなかに踏みこむと陣取った。
「ちゃっちゃと始めよ――受験勉強のストレス発散に付きあってもらうよ、後輩諸君♪」
かくして、比較的どうでもいい勝負が始まった。
× × ×