【掌編】

□【掌編】六話
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 などということを、低血圧ゆえにふらつきながら考えながら。

「何の用なのよ、いったい。えっと……」

「まだ、あたしの名前覚えてないの?」

「馬鹿にしないで。記憶力には自信があるのよ。たしかえっと……」

 周りの連中は、この女の子を何て呼んでたっけ。

「……プリン何とかさん?」

「そんな名前の人間がいるわけないし」

 いや、わからないわよ。デイジーだのマリオだのいう日本人がいるぐらいだし。プリン山だとかプリン谷だとかいう名前のやつがいても変じゃない。あたしの名前だって、おかしいといえばおかしいし。何で名前に『亡』とか『血』とか陰鬱な文字が入ってるのかしら。

「まぁいいし」

 プリン何とかさんは前向きに、腰に手を当てて嬉しげに。

「何だか渾名みたいだしね、ななちゃんと親しくなれたみたいで嬉しいし♪ あたしとしては『フーミン』とか呼ばれたいけど! 『げろしゃぶ』だけは勘弁な!」

 何を言ってるかわからないわ。

「ご託が多いのよ、だから結局――何の用なの?」

「そうそ、ななちゃん。……憂奈木さんさ、どこにいるか知らない?」

「デイジー? さぁ、どこに行ったのかしらね。ていうか今日、学校にきてた?」
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