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□風を感じて 45
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γとの戦闘を繰り広げた6日後、朋美・山本・獄寺のキズもある程度癒え、綱吉はラルとの修行を開始して少したった頃…
「朋美ちゃん!聞いて下さい〜〜っ!!」
ハルが朋美と山本のいる病室に飛び込んできた
『どうしたの?ハルちゃん…』
病室で本を読んでいた朋美は、ハルがこうやって飛び込んでくるのに慣れてしまっていた、何故ならば…
「また、獄寺さんが〜〜っ!」
『ムチャなリハビリしようとしてたんだ…』
「そうなんですぅ〜〜〜!!」
朋美はため息をつく
『どうして…こう、男の子ってムチャして直る傷を悪化させるかなぁ…武君も、私が病室にいない時にムチャしてさ、キズを悪化させてるんだよ…』
「狽ヲっ!知って…」
『いるに決まってるでしょう!まったく…』
山本の言葉に朋美は、更にため息つくと、近くのテーブルに置いてあったリングと匣をとる
『奥の手を使いますか…ハルちゃんは驚くと思う』
「え?なんですか?」
『まあ、見ていて』
朋美はそう言うと、リングに炎を灯し匣を開けた、中からしろがねが出てきたのを見て、ハルは驚いていた
「はひ!こんな小さな箱から狼さんが!」
『この子はしろがね、私のパートナーなの』
「しろがね君ですか!」
『うん、この子にはちょっとしたことが出来てね、それを使おうと思うの』
朋美はそう言うと、しろがねの方を向く
『しろがね、ハルちゃんに付いていって隼人君が無茶なことしていたら、変身してもいいから体に負担がかからないように最小限でベットに寝かせてきて』
「ウォン!」
しろがねは朋美の言葉に返事をするように吠えた
『しろがねに言って聞かせたから、しろがねと一緒に隼人君の病室に行ってみて』
「はい!しろがね君、行こう」
「ウォン!」
そう言ってハルは朋美達の病室を出て行った






「なあ、なんでしろがねを行かせたんだ?」
山本の疑問に、朋美は顔を赤くしながら答える
『だって…武君の側にいたかったから…///』
「煤I///」
彼女になって一番最初のわがままが、自分の側にいたいと言う事に、嬉しくなりこんなにも自分の事を思ってくれている事に、山本は幸せだと思い、朋美を優しく抱きしめた
『煤I武く…』
「ごめん…そんなにオレの心配してくれていたんだな…」
『当たり前だよ!だって…その…私は…武君の……か…彼女…なんだし…///』
自分の腕の中で朋美が真っ赤になりながら、恥ずかしそうに下を向くそんな仕草に山本は朋美を愛しく思う
「もう、朋美の言うムチャなリハビリはしねーから」
『本当?』
「本当」
山本の言葉を聞いて朋美はホッとしたのか優しい笑顔を見せた、山本はその笑顔を見た瞬間、朋美の唇にソッと触れるキスを落とした
『!!///』
「もうしねえって約束…」
『うん…///』
すると廊下の方から、バタバタと走ってくる音がすると、勢い良く朋美たちのいる病室のドアが開けられた






「朋美ちゃん!!」
「『!!!』」
「しろがね君が!男の人に!!!」
『うん、変身できるよ』
「あ、そっか…飼い主さんですもんね、知っていて当然…って!知っているなら先に教えてください!!」
『ごめん〜っ!でも言っても説明の仕様がないから、実際見てもらったほうがわかると思って〜〜』
すると10年後の獄寺の姿になったしろがねが、シュンと落ち込んだ顔をして病室に入ってきた
『しろがね、お疲れ様…あれ?落ち込んでる…』
「なあ、朋美…今のしろがねの姿って…誰だ?」
『面影からして…10年後の隼人君だと思うけど…』
「へえ〜…10年後の獄寺ってこんな姿なんだなぁ…」
『それは置いといて…元の姿に戻さなきゃ…ディスィネフト』
朋美の言葉を聞いたしろがねは、10年後の獄寺の姿から元の狼の姿に戻った






「はひ!元の姿に戻りました!!」
『うん、私のこの言葉に反応するみたいなの…ともかく、しろがねのこの落ち込みよう…ひょっとして、ハルちゃんに嫌われたと思ってるのかもね』
「えぇ!そうなんですか!?」
ハルはしろがねを見ると、耳がたれてシュンとしていた
「ハルは、しろがね君を嫌っては無いですよ!」
ハルはしろがねにそう言うと、しろがねはその言葉に反応してハルの方を見る、その瞳は切ない感じの瞳だった
「びっくりしただけですからね!」
ハルはそう言って、しろがねの頭を撫でると、しろがねは嬉しそうに尻尾を振り始めた
『よかったねしろがね、ハルちゃん嫌ってないって』
「ウォン!」
しろがねはそう返事すると、白い炎となって匣に戻っていった
「また、小さな箱に戻っちゃいました」
『今日は変身させて疲れただろうし、何かあったらまた出すから』
「はい!それじゃあ!」
ハルはそう言うと、病室を出て行った
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