Dグレ男装夢小説 Wearing men's clothes

□プロローグ
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その日、私、ユエ=ミストバトラーはずっと走っていた。

私を三年間鍛えてくれた師匠にいろいろツケられて、町中の人に追いかけられて、爆走。


「待ちなさいアンタ!クロス神父のツケがたっぷりたまってるんだよ!!」

『知りません!知りませぇーーん!!』

「アンタ顔覚えたからね!!」

『(ヤバ…)』

冷や汗と脂汗を交互に流していると、前の角から他の追っ手が出てきた。

『っ!まだいるのかよ!!』

あわてて塀をよじ登り相手から姿を消す。

「男のくせに逃げるなんて、恥ずかしいと思わないのかね!!」

『(女だよ…)』

でも、男と間違えてもしかたがない。

今の私は、思い切り男装。(動きやすいため)カーキ色の忍者みたいな格好に、黒のマフラー。ショートカットなのも原因の一つだろう。

それはさておき、顔を覚えられたのはまずい。

『(なんとか隠さなきゃ・・・)』

あ、そうだ。マフラー巻けばいいじゃん。

そう思い、首からマフラーを乱暴に取って、
目を残して顔にグルグル巻いた。

ちょっと変質者っぽいが、このさいそんなことは気にしていられない。



その後、追っ手の数は減ったが、そもそも服装が印象に残るものなので、完全に居なくなったとはいえなかった。

そんなこんなで、かれこれ三日くらい飲まず食わずで走り続けていたので、視界が霞んできた(まあ、当たり前だわな)。

そして私は、何やらでっかい崖(?)のふもとにたどりついた。

前から朱色の髪の少年が来た。また追っ手か…。
後ろは行き止まり。こうなれば、私が倒すしかないようだ。

ただ心配なのは、視界が霞みまくったこの状況で勝てるかどうか……だけどな。

目が覚めたら酒屋の客寄せ…なんて、死んでも嫌だからね。

やるっきゃない!!

『発動!!』

私の手には、イノセンスとかいう神の物質が宿っている…らしい。師匠(クロス)からきいた。本来はAKUMAを壊すためのものだが。

私の手は、こうやって発動すれば…

ジャキンッ!!

紅色の鎌に化わる。

そして、相手に思いっきり切りかかる。

「わわっ!何するんさ、いきなり!AKUMAさ!!?」

相手は慌てていたが、ズボンのどっかから出した大きな槌でしっかりガードしていた。

てか、お前のズボンは二次元ポケットか。

手に力を加えると、相手も押し返してきた。

「何なのさ、全く!」

さらに力をいれようとして、一気に視界が霞み、不覚にも相手にもたれかかってしまった。

『う……』

「え、ちょ、どうしたんさ!?AKUMAじゃない!!?本当何なんさ、この男!!」

『(女だよっ…)』

そうして私は意識を手放した。




「この手…イノセンスさ?そしたら…持って帰らないといけないさね…」

そして私は担がれていった。

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