Dグレ男装夢小説 Wearing men's clothes

□第一夜 黒の教団
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かすかに声が聞こえる……。

「なんだいラビ君、その子……」

「なんか手ェイノセンスっぽいんで拾ってきました」

陽気っぽい男の声と、さっきの少年の声…。

会話の続きを聞こうとしたが、そこで意識が途切れてしまった。

☨☨☨☨☨☨その後の会話☨☨☨☨☨☨☨☨

「でもぉ、AKUMAだったらどうすんの」

「コムイ、よく考えるさ。AKUMAだったら気絶するまえに壊れるさ」

「むう、確かに。ま、ヘブ君に見せれば分かるだろうから」

「ふーん」

そして、少年(ラビと呼ばれたので、以下ラビ)は部屋を出て行った。

「ん〜…、それにしても」

陽気っぽい男(コムイと呼ばれたので、以下コムイ)は思案顔になって言った。

「この男の子、汚いなあ」

三日も走ってたから当たり前だが。

てか、また男と間違えられている。

「よし、男同士だし、おフロ入れちゃうか!」




☨☨☨☨☨☨んでもって、その後☨☨☨☨☨


「あっちゃぁ……女の子かぁ……」

バレた時、私の格好は裸…ではなく、男装をしていたために偶然付けていたサラシとズボンだった。

(う〜ん、これ、どうしよう。女の子の服を風呂場で脱がせるなんてぶっちゃけ変態だよね…。皆にバレたら本当に変態扱いされかねないし……)

そんな風に、コムイが悶々と考えてる間に、ユエは目を覚ました。

☨☨☨☨☨☨ユエ視点へ…☨☨☨☨☨

どういうことだろう。

目を覚ましたらサラシ一枚(と、ズボン)で…。

ああ、やっぱりヤバい店だあああああああああああ!!

とか思ってると。

「ご、ごめん!!」

『へ』

「君の事男の子だと思っちゃって、お風呂入れようとしちゃったよ!!ていうかさ、このことがバレたらボク変態みたいだからさ、(ボクの名誉と純潔のために)男のふりしてよ!」

……。

『えーと……、訳が分かりませんが……』

〜最初から説明中〜

『はあ…。確かに私の手はイノセンスですが……。それはさておき、私に男のふりをしろなんて、自分勝手なんじゃありませんか!!』

「いやあ、そこは…おねがい」

『イヤです』

「お願い〜〜〜」

『何で戸棚の裏からマシンガンを出すんですか、何でそんなに眼光が恐ろしいんですか』

「お〜ね〜が〜い〜」

『(めっちゃ怖い!)わ、分かりました!分かりましたからそのマシンガンをしまってください、さらにそこらへんからマシンガンを取り出すのをやめてくださいぃ!!』

「ふう、分かったらいいよ」

『(ムチャクチャだ……)』

私は服を着なおして、一息つく。

「じゃあ、とりあえず君の手が本当にイノセンスなのか検査するから、付いてきてね」

『あ、はい』

そして、なんか凄いエレベーターにのった。

「あれ、そういえば名前聞いてなかったね」

『ユエ・ミストバトラーです』

「そっか、よろしくね、ユエ君!」

『『君』って……』

と呆れると、コムイは無邪気にウィンクなんかしやがった。

おい、殴られたいのか。

かくして、私の男として生活する日々がはじまった…。

これからもよろしく、サラシ!

とか思ってる間に、エレベーターが止まった。

「ヘブ君〜、この子の手はイノセンスかな〜?」

すると、目の前に青白い人のようなものがでてきた。

そして、手のような、触手のようなもので腰を掴まれ、私の体は宙に浮いた。

『ふ、ふわああ!!?』

そして、体の中を探られる感触。

その感触は……

『く、くすぐったぁーーーーい!!』

最初の方はキャーキャーいっていて、

「暴れないでくれ……」

とヘブ君(ヘブラスカと言うらしい)を困らせていたが、だんだん疲れてきて、今はぐったりしている。

「ユエの手は間違いなくイノセンスだ……」

「そっかぁ、よかったよかった!」

「ユエは…世界を救うのか壊すのか…ユエの自由だ…」

よく分からないが、予言だそうだ。良く考えたが、やっぱり意味がわからない。

『ヘブラスカ、ありがとう』

そう言って、私は室長室に戻ってきた。

「君はこれから、ユエ・ミストバトラー ♂としてここで生活してもらう!改めてよろしくね!」

『は、はぁ……』

なんかホントによく分からないままエクソシストになってしまったが、まあ、いいか。

「兄さん、コーヒーよ」

しばらくそんなことを思っていると、ツインテールのめっちゃ可愛い子が入ってきた。

コムイの妹らしい。

「あら?新人さん?」

『はい……』

「私はリナリー・リー。よろしくね」

『私…じゃなくて、俺は、ユエ・ミストバトラーです…』

「ユエ君ね。よろしく。あ、お茶とか、いる?」

『あ、うん、有難う』

リナリーはパタパタと可愛い足音をたてて出て行った。

「いや〜、男の真似、うまいじゃないか〜。これなら、これからも安心だね〜」

『……(怒)』

そんなことを話しているうちに、リナリーが帰ってきて、私の前にお茶を置いてくれた。

『有難う』

と微笑んだら、リナリーが少し赤くなった気がする。

「科学班の人たちにもコーヒー配ってくるね」

ごまかすように言って、パタパタと部屋を後にした。
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