Dグレ男装夢小説 Wearing men's clothes

□第二夜 動く石像
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あれから3分程度しか経っていない。

なのにユエは、Lv2を含む50ほどのAKUMAを


全滅させていた。



その顔はどこか悲しげだった。

「お前、これ、全部…」

『うん、俺、両親をAKUMAに殺されて…恨みに任せて闘っちゃう癖があって…。
気がつくと、こうなってるんだ。
それで……友人を怪我させちゃったことがあって…。
気がついた後、ああ、またやっちゃったなって、後悔するんだ』

「今は誰も怪我させてないし、AKUMAを壊してる事には変わりないんだ」

気に食わねぇ野郎だが、俺はなぜか庇っていた。

『……ありがと』

憂いを帯びて笑うその顔は、天使のようだった。

って、何男に見惚れてるんだよ俺。

てか、コイツ笑うと女みたいだな。



ユエ視点

微妙な言い回しだが、慰められていることは分かった。

心があったかくなったね。

それから、私が暴走する回数は半減した。


『あ、そうだ』

「ん?」

『忘れてたんだけど、銅像調査しなきゃいけないんだったね』

「忘れてたのかよ」

『ここからなら、すぐ近く……かな?』

「そうだ」

『じゃ、行くぞーっ』

「……」

『ほら、オーって言え、オーって』

「誰が言うか」

そんな会話をして、私達は例のお屋敷についた。

中にはいると、ホコリっぽかったが、幻想的な銅像はしっかりと立っていた。

私はそこらへんの壁にもたれ掛かって思った。

どうでもいいが、私はこういうデザインとは分かり合えなさそうだ。

「本当にどうでもいいな」

『何、人の心読んでるのさ』

「口にだしてたぞ、お前」

『!!』

あれれ……そんな癖があったか……。

『そ、それはさておき、なんかイノセンスありそうな像あった?』

「あるとしたら、お前が今もたれ掛かってるそれだな」

『え』

よく見ると、それは壁ではなく、異常にデカい女神の像だった。

『……!!』

驚きに口をパクパクさせている私に神田が小さく吹いた気がしたが、そこはスルーしておこう。

『ととと、とりあえず、夜まで待とうか…』

「そうだな(笑)」

『(笑)ってなんだ』
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