main
□〇〇は見ていた
1ページ/2ページ
夕食後。
大広間のソファに座り、焔椎真は手のひらサイズの携帯ゲームをしていた。
隣には愁生。
「焔椎真」
「ん?」
「おれが口出しすることじゃないと思うけど」
「何だよ」
「学校でああいうことするのはマズイんじゃないか?」
「は?俺が一体何したって……」
愁生と目が合って焔椎真はハッとする。
「放課後。夕月とトイレでキ……」
「言うなっ!!」
咄嗟に手のひらで愁生の口を押さえた。
「夕月って?」
向かい側のソファに座っていた九十九と十瑚が反応する。
「夕月ちゃんに何したのよ!?この変態っ!!」
「何もしてねー!!」
「焔椎真……信じてたのに」
「九十九!!真に受けるんじゃねぇ!!」
焔椎真は愁生の胸ぐらを掴んだ。
九十九達には聞こえないような小声で問い詰めた。
「愁生……何でお前はコイツらの前でそういうこと」
「おまえがあんまり浮かれてるから、ついからかいたくなったんだ」
「あのなぁ……」
ガチャ、と音をたてて部屋の扉が開いた。
「いた。焔椎真くん、橘さんが呼んでる……」
全員の突き刺さるような視線を浴び、夕月は首を傾げた。
「どうしたんですか?みんな」