〜Another Moon,Other Stars〜 R(魔界樹〜ブラック・ムーン編)
□狙われた園児!ヴィーナス大活躍
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その日の帰り、美奈子は紗織と一緒にさったんに寄るため、一緒に歩いていた。
途中でまた騒ぐ声が聞こえてくる、何かがいるだとかいないだとか話が良く分からないまま声のするほうに走っていく。
「いるって言うのなら証拠を見せてよ、嘘つき!」
「いるもん、セーラーセレネスはちゃんといるもん!」
「あの子は今朝の・・・」
「またいじめられているのね、急ごう美奈子ちゃん!」
紗織と美奈子が公園に入っていき、朝と同じようにいじめっ子を注意する。
「ダメでしょ、みんな仲良くしなきゃ・・・」
まずは紗織が優しく語り掛ける。次いで美奈子が何かを言おうとするといじめっ子の1人が「おばさんは引っ込んでて」と美奈子を突き放す言動を取る。
おばさん、といわれたことに腹を立てた美奈子は年甲斐もなく怒り狂い今にも火を噴きそうな勢いだった。
何とか紗織になだめられたものの怒りが収まらず、紗織にまで八つ当たりをする始末。
「ありがとう、お姉ちゃん達」
園児がまた2人にお礼を言う。
「何をケンカしていたのかな・・・え〜と、その前に君の名前は?」
「私は美恵、芝幼稚園のチューリップ組」
美恵は元気良く名前を答える、それに応えて紗織も美奈子は自分の名前とそれぞれシルフィ、アルテミスを紹介する。
次いで美恵を良く見ると左胸にはセーラーセレネスの大きなバッジがつけられていた。
「へ〜、美恵ちゃん、セーラーセレネスのことが好きなのね」
うん、と大きな返事をした美恵に美奈子がセーラーヴィーナスも好きか、と尋ねるが誰?と逆に聞き返されて、今の質問を聞かなかったことにした。
「あのね美奈子お姉ちゃん、セーラーセレネスっているよね?」
「う〜ん、難しい質問ね」
美奈子は何と応えていいか頭を悩ませる。
「やっぱり、いないのかな〜?」
「美恵ちゃんはいるって信じているんでしょ?」
「うん!」
「じゃあ、いるよ・・・信じることが大切なことよ」
「私ね、実はセーラーセレネスに助けてもらったことがあるの」
「嘘!?本当!?」
紗織がセレネスのことを話し出すと美恵は興味深々になる。
「本当よ、もう半年くらい前かな。遊びに出かけたときにセレネスさんに出会ったの」
「紗織お姉ちゃん、すごい!じゃあセーラーセレネスのこと、知ってるの?」
おいおい、と紗織がいきなり言い出した一言でアルテミスが動揺する。
「じゃあ、明日幼稚園で話してくれる?誰も信じてくれないから」
「分かったわ」紗織も美奈子も快く美恵のお願いに応じる。
それを聞いたアルテミスは更に動揺する、シルフィは我関せずといった態度を取る。
「みんなにセーラーヴィーナスの素晴らしさを教えるんだから!」
美奈子が瞳を輝かせると美恵も美奈子と同じポーズをとって応えてみせる。
紗織は美奈子と美恵のやり取りをみて思わず笑顔になるのだった。
場所は変わって魔界樹のある部屋。
「エナジーが不足してきているようね・・・今回のターゲットは?」
「新鮮でみずみずしい子供達のエナジーですわ」
「面白い・・・さあ、カードを選ぶのよ、アン」
「分かりました、エイル」
エイルが差し出したカードの札の中からアンが1枚選ぶ。
選ばれたカーディアンが実体化する、今回アンが選んだカーディアンはギガロスだった。
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