〜Another Moon,Other Stars〜 R(魔界樹〜ブラック・ムーン編)

□めざめる真実の愛!魔界樹の秘密
2ページ/11ページ

 エイルとアンはそれぞれにうさぎと紗織の救出を目論むがそれぞれが魔界樹に下した命令のために離す気配を全く見せない。

「何をしているの、うさぎさんを離しなさい!魔界樹!」

「止めなさい魔界樹!久保さんのエナジーは奪っちゃダメでしょ!?」

「いい加減止めなさい!この恩知らずの化け物め!」

不条理な命令を下し続けるエイルとアンの言動に嫌気がさしたのか、魔界樹は遂にエイルとアンにすらも牙を向け始めた。エナジーの波動で2人をはじき出すと紗織とうさぎを離す。

空中で落下しそうになるうさぎと紗織をエイルとアンがそれぞれに保護して地上へ着地するが大半のエナジーを奪われた後でかなり衰弱している。

「うさぎさん!うさぎさん!」

「久保さん!久保さん!」

「紗織!」

「うさぎちゃん!」

時を同じくして4戦士達が魔界樹の最深部へと到達する。その様子を目撃した4人は今まで抱いていた疑問を確信に変える。

「やっぱり、あの2人が!」

「紗織ちゃん!うさぎちゃん!大丈夫!?」

「ええいっ!余計なところにセーラー戦士が現れるなんて!」

「貴女達こそ、邪魔ですわ!」

エイルとアンは標的を魔界樹からセーラー戦士に変更する。この一点では利害が一致し、共闘体制に入る。衝撃波を放ち、4人の前に立ちはだかる。4人は必死に抵抗するが2人の前ではまるで歯が立たない。逆に返り討ちに遭ってしまいその姿を見た2人は高笑いを見せる。

「オホホホホ、成仏なさい!」

「うさぎちゃん・・・今のうちに・・・変身を・・・」

「よーし!」

エイルとアンは更に4人に追い討ちを仕掛ける。紗織とうさぎは4人への集中攻撃に気を取られているうちに変身の掛け声を唱える。

「セレネス・プリズムパワー・メイクアーーーーップ!」

「ムーン・クリスタルパワー・メイクアーーーーップ!」

掛け声と共に紗織とうさぎはセーラーセレネスとセーラームーンへの変身を終える。

「まさか・・・うさぎさんがセーラームーン!?信じられない・・・」

「嘘でしょ!?久保さんがセーラーセレネスだったなんて!?あの美しい久保さんが・・・」

「己の欲望のために地球を苦しめる悪行は」

「もうおやめなさい!緑は地球の命!」

「全ての生きとし生けるもの達のお友達!」

「天は緑の上に緑を作らず緑の下にも緑を作らずって言うでしょ!?」

(それを仰るなら「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず」ですよ・・・セーラームーン)

「・・・もとい、愛と誇りのセーラー戦士・セーラーセレネスと」

「愛と正義のセーラー服美少女戦士・セーラームーンが」

「月に代わってお仕置きさせていただきます!」

「訳の分からないことを・・・エイル、早くあの2人をやってしまいましょう!」

「し、しかしねぇ〜アン・・・セーラームーンはうさぎさんであってセーラーセレネスは紗織さんなんでしょ!?」

「何を今更!?もしも本当に月野さんがエイルを愛していたのならセーラームーンに変身して、私達になど刃向かっては来ませんわ!?」

「! それじゃあアン、仮に紗織がアンを本当に愛していたとしてもセーラーセレネスとして貴女に牙を向けるはずがなくて!?それはどう説明するつもり!?」

「! つまりは、月野さんはエイルのことをこれっぽっちも愛していなかった、そういうことでしょ!?」

「でもねアン、それなら紗織さんもアンのことなど見向きもしてなかったでしょ!?ほら、何度となく月野さんにアプローチをかけていたのは事実だし・・・」

「何々、内輪もめ!?」

「どうやら私達の正体を知ったことによって動揺されていらっしゃるようです。今のうちに魔界樹を止めに参りましょう、セーラームーン!」

「う、うん!」

セレネスとムーンは魔界樹の暴走を止めるべく全力で走り出す。それに気付いたアンは2人を阻止するべく攻撃を開始する。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ