〜Another Moon,Other Stars〜 R(魔界樹〜ブラック・ムーン編)

□愛と正義ゆえ!セーラー戦士再び
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 『Dear Mom.

十番中学校で新しいお友達が出来たよ

名前は月野うさぎちゃん、隣同士の席なんだ

で、うさぎちゃんは実は私と同じセーラー戦士のセーラームーンだったの

訳があってセーラー戦士を辞めていたけど新しい敵が現れたからまた戦うことになったの

でも、どこか悲しそうだった・・・

戦うことが嫌だったのかも、何て声をかければいいか、私、悩むな〜』

「これでよし、と」

「それにしてもルナ・・・セーラー戦士の記憶を封印していたなんて。よほどうさぎちゃんに辛い思いをさせたのかな?」

「分からない、うさぎちゃんと一緒にいた美奈子ちゃんなら何か知ってると思うんだけど・・・」

「そういえば、美奈子ちゃんとは連絡、取ってる?『月の天使事件』以降、全然紗織と連絡が無いみたいだけど」

「実はね、ミカも同じことをずっと気にしているの。ミカの方から連絡をしても全く電話に出ないどころか、ミカのことを知らないって言い張って・・・もしかするとルナは私達に関する記憶まで消したんじゃないかしら?」

「あの時は再開を懐かしんでいる暇が無かったからしょうがないけど今度会った時に話を聞いてみることにするわ。紗織もその方がいいでしょう?」

「分かったシルフィ、ここは君に任せるわ。うさぎちゃんの方は私が様子を見るから」

新たなる敵、エイルとアンの登場により再び復活したセーラームーンだったがうさぎ自身が戦うことを嫌がっていたのが気になった紗織はうさぎに事情を聞くことを思いついた。

この前はやむを得ない事情だったから変身してくれたものの次もまた協力してくれるか予測が付かなかった。もしうさぎが戦わない、と言い出したら結局は自分独りで戦わなければいけない、紗織は覚悟を決めて次の戦いに臨む事にした。



場所は変わってうさぎの部屋。ルナとアルテミスが何かを話し合っていた。

「敵かどうか分からないけど、危険が迫ってるのは間違いないわよ」

「だからと言って平和に暮らしている美奈子達をまた戦士として目覚めさせるのは反対だな。当てがあるとすればセーラーセレネスだけど、1時間しか戦えないのは痛いな」

「それは分かってるわよ・・・でも、当面の問題はどうするの?うさぎちゃん独りじゃ心配でしょう?それにセーラーセレネスが現世にいたことは分かったけど完全な覚醒を果たしてないわけだし・・・」

と話し合っているとちょうどうさぎが帰って来た。肩を落としてその場に座り込む。

「はぁ〜、少し並ぶのが遅れたから限定のスイーツ、食べ損ねた・・・」

「うさぎ!今はそんなこと言ってる場合じゃないだろ!?」

とアルテミスが言い返すがうさぎは泣きながら肩を落としたまま微動だにしない。

その様子を見たルナとアルテミスも力が抜けてしまう。そんな中でルナがさっきまで話していたことの結論をアルテミスに提案する。

「やっぱり、他の4人も復活させましょう!亜美ちゃんやレイちゃんの記憶を戻してもう1度戦士として戦ってもらうのよ!」

「何言ってんの!地球を守るなら、私独りで十分じゃない!他のみんなまで巻き込むこと無いわよ」

うさぎはルナに対して自分独りでも何とかしてみせる、と自信満々に反論する。

その様子を見たアルテミスがうさぎに対してこう言った。

「うさぎもダークキングダムとの戦いでかなり成長したみたいだね。十分自覚が出来てるじゃないか」

「そうよ、悪い奴らの1人や2人、あたし1人で何とかしてみせるわ!」

といいながらさっきまで指の上で回していたボールを壁に投げつけるが跳ね返ったボールはそのままうさぎに直撃して、その場で倒れこんでしまった。

そんな情けない光景を見たルナもアルテミスも落胆の表情を隠せないでいた。
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