〜Another Moon,Other Stars〜 R(魔界樹〜ブラック・ムーン編)
□白いバラは誰に!?月影の騎士登場
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『Dear Mom.
この前言っていたセーラー戦士だけどヴィーナスとムーンだけではなく他にも3人いたの
名前はマーキュリー、マーズ、ジュピターって言うの
美奈子ちゃんも前の戦いで戦士としての記憶を失っていたから私達と連絡を取ってなかったけど記憶が戻ってからまた前みたいに連絡を取り合うようになったよ
さらに十番中学校で知り合った友達も増えたから新しい生活もだいぶ充実してきたよ
ママもお仕事が大変でしょうけどお友達はたくさん大切にしてね
From 紗織』
「これでよし、と・・・それにしても美奈子ちゃんとまた一緒に戦えるようになって嬉しいわ」
「そうね、ようやくセーラー戦士5人が勢ぞろいしたから。ますますエイルとアンとの戦いが激しくなるでしょうね、気を引き締めなくっちゃ」
「うん・・・私も早く元の100%の状態に戻らないとみんなの足を引っ張っちゃうから・・・」
「そういえばまだ変身時間が限られているのは戻っていないんだよね?」
「ムーンに会えば、プリンセスに会えば銀水晶の力で何とかなると思ったんだけどどうも当てが外れたみたい・・・もう片方の銀水晶も今はうさぎちゃんの下にはないみたいだし、一体どうすれば?」
「焦っちゃダメよ、紗織。時間が経てば解決するかもしれないし」
「そうね・・・まずは私が、いえ、私達が頑張らなきゃ!」
セーラームーンだけではなくセーラーヴィーナスやマーキュリー、マーズ、ジュピターらセーラー戦士5人が復活し、心強い仲間は増えた。しかし、セーラーセレネス自身は『月の天使事件』以降、不完全な状態のまま戦い続けている。
さらに、ムーンも戦うことを嫌がっている様子だったから不完全ながらも自分と他の4人で何とかするしかなかった。しかし、だましだましで戦い続けるのは限界があるしいつか限界が来るのではないか、紗織は不安に思っていた。
だが、今は自分の不安よりも明日のテストのことも気になっている。
「さて、ちょっと明日のテスト勉強するからシルフィ、いい子にしててね」
「がんばって紗織、十番中学校へ来て初めてのテストだからね」
ここは亜美が通う学習塾の前、うさぎと亜美とまことが明日の試験対策を聞き出そうとしていた。
「お願い、亜美ちゃん。迷える子うさぎを哀れに思って!出題範囲と傾向をズバリ、ね、ね!」
亜美の肩に手を置いてうさぎが力を貸してもらうようおねだりしている。
亜美はしぶしぶながらもうさぎの頼みに応じるが一言だけうさぎに語りかける。
「うさぎちゃん。例え今、答えを教えてあげたとしても困るのはうさぎちゃんだけよ」
「でも、地獄のテストは明日なのよ?あたしってばいつも赤点ばかりだし・・・溺れるものは綱をも掴むって心境なのよ?」
うさぎは目に涙を浮かべながら亜美に再度お願いする。
「うさぎちゃん、やっぱりそんな注文は無理よ」
見かねたまことがうさぎに念押しでもう一言だけ言い聞かせるがうさぎはとっさにまことに反論する。
「じゃあ、まこちゃんはどうして一緒に来たのよ!?」
「そりゃあ、あたしだって亜美ちゃんに聞けば明日のテストはばっちり、だと思って」
「うさぎちゃん、まこちゃん。私達は来年中学3年生なのよ!?もっとしっかりしないと!」
2人のやり取りを見かねて亜美が顔をこわばらせてぴしゃりと言い聞かせる。
たまりかねたまことは頭をかきながら面目ない、と小さく謝るがうさぎは気楽になんとかなる、とだけ言う。3人が塾の前で話しているとどこからともなく悲鳴が聞こえてくる。
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