〜Another Moon,Other Stars〜 R(魔界樹〜ブラック・ムーン編)

□うさぎの危機!ティアラ作動せず
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 『Dear Mom.

この前、まことちゃんの友達が悪い奴らに襲われて輸血が必要なほどひどい怪我をしたの

そんな私達が悪い奴らと戦っているときに現れたのは月影の騎士と名乗る不思議な人だった

私達を助けてくれて、化け物を倒す手伝いをしてくれたから敵ではないと思うけど一体どういう方なのか分からないまま、謎が1つ増えた感じ

でも、まことちゃん達が賢明に看病したおかげで無事に怪我が治ったから良かった

まことちゃんはその子のことをいつも見守ってくれる心強い子、と言っていたけど私も誰かから見たらそんな風に見えるのかな?

From 紗織』

「これでよし、と」紗織はパソコンの画面から離れてコーヒーカップを手に取る。

「この前現れた月影の騎士って一体誰なんだろう?正体が全く分からないのは不安ね」

「うん、でも私達を助けてくれたから少なからず敵ではないと信じたいわね・・・」

「どうしたの紗織、まだ何か気になることでも?」

「あのねシルフィ、あの方は私と似ているんじゃないか、って思うのよ。言葉に表せないんだけど私と同じ雰囲気を感じる、そんな気がして・・・」

紗織にしか分からない雰囲気、そう言った後で紗織は少し考え込む。

もう1度会って確かめる必要があることは承知していたが今度もカーディアンが現れたときに助けてくれる保証はないかもしれない、その時は自分の方から探すしかない。

紗織は月影の騎士に対する疑問を解決させることが先決だと結論付けたのだった。

何かを決めた後、紗織は必ず表情が和らぐ。付き合いが長くなったシルフィにはそれがすぐ分かった。その後で紗織は
身支度をして出かける。

今日は久しぶりにミカと一緒にお出かけすることになっていたのだ。

「じゃあ、行こうかシルフィ。また大人しくしていてね」

「OK、それじゃあ出発!」

紗織は家を出る前にミカの携帯に連絡を入れてから家を出た。



「う〜さ〜ぎ〜!いつまで寝てるの!?」

所変わってうさぎの家では母親の郁子の怒号が響いていた。

起きなさい、と郁子が布団を引っ張ると上で寝ていたルナが巻き沿いを受けて転げ落ちる。

「あ〜ん、今日はお休みなのに〜!」

「何言ってるの、せっかくのいい天気なんだから」

「眠い眠い眠い、ママの意地悪〜!」

せっかくの安眠を妨害されて駄々をこねているうさぎを見てルナはひとつため息をついた。
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