〜Another Moon,Other Stars〜 R(魔界樹〜ブラック・ムーン編)
□狙われた園児!ヴィーナス大活躍
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『Dear Mom.
みんなと一緒に花見大会に行ってきたよ
少し前に知り合った高木さんという親切な人からその会で行われるバンドコンテストに
メンバーの代わりに出てくれ、と頼まれて参加しようとしたんだけど・・・
化け物が現れて大会は中止になってすごくもったいなかったわ
でも、その後高木さんからパーティーに誘われてその席でギターを披露したの
みんな、熱心に聴いてくれたからすごく嬉しかった、ギターやってて良かった♪
あとは・・・ムーンが新しい力を得て私もそのおかげで少しパワーアップしたみたい
でも、まだ完全な状態じゃないから無茶はしないつもり
From 紗織』
「これでよし、と」紗織はママへの定期メールを送信するとパソコンから離れる。
「復活したときのうさぎちゃん、とてもうれしそうだったわね」
「うさぎちゃんが戦士として新しい力を手に入れた、私もクイーン・セレニティのおかげで変身の制限時間がなくなったのは大きいわ。でも、まだ不完全なままのは変わらず・・・私に一体何が欠けているんだろう?」
「ひとつ解決してまたひとつ、新しい難問が出来たと思えば前進になるけど・・・今度は紗織自身の問題になりそうね」
「それに、月影の騎士さんのことを疑ってしまったのよね・・・うさぎちゃんを、ムーンを想うあまりに・・・」
紗織は下を向いて前回起きた出来事を振り返る。確かにムーンは新しい銀水晶を得て、その加護の元に新しい変身を獲得できた。
しかし、月影の騎士の目的が銀水晶ではなかったのか、月影の騎士に対して疑惑を抱いたままでいるのが心残りだった。
会って確かめたいことが更にひとつ、増えたことになるが今の自分に果たして月影の騎士と会う資格があるのだろうか?
紗織の心の中に抱えた思いはシルフィですら計り知れないものだった。
「さて、そろそろ学校の時間だから行こうか、シルフィ」
紗織とシルフィは一緒に学校へ出かける、いつもと変わらない光景だった。
場所は変わって美奈子の部屋。
夢の中で誰かと抱き合う夢を見ているのか、傍で寝ていたアルテミスを抱きしめる。
アルテミスがうぎゃ、と声を上げたところで美奈子は目を覚まし、アルテミスがとっさに抱えた目覚まし時計を見て美奈子は一気に目が覚める。
「どうしていつもこうなのよ〜〜〜〜!」
完全な寝坊だった、大慌てで制服に着替えて学校へ一目散に走っていく。
アルテミスも一緒になって走ってついていく、これもまたいつもと変わらない光景だった。
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