〜Another Moon,Other Stars〜 R(魔界樹〜ブラック・ムーン編)
□文化祭は私のため!?レイ女王熱唱
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『Dear Mom.
この前、ある事情から赤ちゃんのお世話をすることになったの
ほんの2,3日の出来事だったんだけど赤ちゃんって本当に可愛いんだね
私がお世話している間によちよち歩きや言葉をしゃべったり、いい経験になったわ
中学生の私がこんなことを言うのも変かもしれないけど赤ちゃんが欲しくなっちゃった
私が赤ちゃんのころってどうだったのかな?
From 紗織』
「これでよし、と」
紗織がパソコンから離れてシルフィの方を向きなおす。
「赤ちゃんのお世話って、すごくいい経験になったよね」
「まあね・・・お母さんの幸せそうな表情、忘れられないわよね」
紗織とシルフィは前回のベビーシッターのことを振り返る。
「母は強し、紗織のママもそんな人なんでしょ?」
「うん、そうだよ。きっとママも私が赤ちゃんのころ、色々と苦労したんだと思う。そう考えたら辛いことなんてどこかにいっちゃうと思うんだ」
紗織の表情が自然と明るいものになっていることを自覚していた。
「ところで、ここ最近のヴィーナスやマーキュリーの活躍も目覚ましいよね」
ついで話はここ最近のセーラー戦士の話に切り替わる。
前々回はヴィーナスが、前回はマーキュリーが新しい力を得ることが出来た。
戦士の記憶を取り戻して以降、何かのきっかけで成長する頼もしい仲間達。
特にムーンは新しい変身を得るに至る等、今の戦いの厳しさを目の当たりにして紗織自身はどうなのか、冷静に自分を見つめ直す。
自分の力がまだ100%ではないという現実に直面しているもののなかなか解決の糸口がつかめない。
焦る気持ちはあるもののどうすればいいか分からない。
堂々巡りになっては解決しないと判断すると一旦紗織は考えるのをやめたのだった。
「さあさあ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい、火川神社のお守りは恋の病にばっちり効く。どの位効くかというと何度失恋しても何度も効果が現れる」
ここは火川神社、レイの家である。
巫女装束に身を包んだまことと美奈子が軒先でお守りの売り込みをしていた。
「何かあったらまたどうぞ」
美奈子も境内の中から手渡しで売り捌いていく。
1日の仕事を終えてくつろぐまことと美奈子。
「ふ〜、巫女さんの仕事もなかなか大変ね」美奈子がまことを労う。
「レイちゃんが留守の間、私達で神社を切り盛りして欲しいって頼まれたから」
一言二言話し合っているとうさぎと亜美がやって来た。
「あれ?レイちゃんは?」
神社にレイがいなかったのでうさぎが質問する。
「レイちゃんなら文化祭の実行委員で忙しいんだ、よければうさぎ達も一緒に手伝う?」
まことがうさぎに答える。
「いや〜、私も興味あるけどお経とか覚えられないし」うさぎも笑いながら答える。
「アハハ、お経は読まなくていいから心配しなくていいよ、うさぎちゃん」
美奈子がさりげなく茶々を入れたのだった。
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