〜Another Moon,Other Stars〜 R(魔界樹〜ブラック・ムーン編)
□月影は星華?燃えるまこちゃん
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『Dear Mom.
この前、レイちゃんの中学校で文化祭があったよ
レイちゃんが自分で作った曲のために私もギター演奏のお手伝いをしたけどいろいろな人の協力で大成功だったけどレイちゃんもかなり苦労していたみたい
そういえば前の中学校でも文化祭のときはみんなで一緒にやるのが一番楽しかったけどあのときのレイちゃんは自分が先頭に立ってやるんだ、って意思が強かったのがうらやましい
私もあんな風に先頭に立ってやるだけの度胸があったらな〜
From 紗織』
「これでよし、と」紗織はママへの定期メールを送信するとコーヒーを改めて口にする。
「この前の文化祭、大好評だったみたいね」
「そうね・・・途中で邪魔が入らなければもっと楽しかったんだけどな・・・レイちゃんに悪いこと、しちゃったかな?」
「楽譜をすり替えた事、まだ気にしてる?」
「それは・・・」
紗織は出来心ではなかったにせよ、さったんで知り合ったバンドのメンバーから預かった楽譜をすり替えたことを気に病んでいるのではないか、とシルフィに指摘されて黙り込む。
「・・・でも、レイちゃんは気にしてなかったみたいだから・・・」
頼まれたら嫌とはいえない紗織にしてみれば良かれと思ったことではあるがレイが特に気にしていないことを思い出すとシルフィに一言付け足す。
その後で前回起きたもう1つの出来事を振り返る。
あの日、月影の騎士が助けに来てくれたが月影の騎士が取った行動を見たときに紗織自身がしなければいけないことの最終地点が見えてきた。
「月の天使事件」以降、戦士として不完全なまま戦わざるを得ない理由の鍵を握るのは月影の騎士ではないか、と自覚し始めていたのだ。
何はともあれこちらから探そうにも手がかりが全くなく、必ず自分達のもとにしか現れない点でも特異な存在であることが最大の不安要素だった。
ミカにも協力してもらって月影の騎士に関する目撃情報は何かないか、捜索範囲を広く募ってもらうしかないことも事実であった。
(月影の騎士様・・・貴女は一体何をしたいの?私に何をして欲しいの・・・?)
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