〜Another Moon,Other Stars〜 R(魔界樹〜ブラック・ムーン編)

□乙女のキス奪え!アンの白雪姫作戦
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『Dear Mom.

この前、まことちゃんが大好きな先輩のためにお弁当を手渡したみたい

話を聞く限り結構やる気を出していたみたいだけど上手く行かなかったからがっかりしていた

愛情を込めてもなかなか気持ちが伝わらないことって、あるんだよね?

今の私もそう思える人がいるんだけど相手の方はまだ気付いていないみたい

いつになったら私の想いを受け止めてくれるかちょっとやきもきしているよ

ひょっとしたらもう相手の方は気付いてくれているんだけど言い出せないだけなのかな?

From 紗織』

「これでよし、と」紗織はいつもより時間をかけてママへの定期メールを書き上げて送信する。

書いている間、ずっとまことと星華のことや自分とうさぎのこと等様々なことを考えていたため、時間がかかったのだ。

「まことちゃんのあの真剣な眼差し、本当に星華さんのことを想って一生懸命だったね。私、まことちゃんがうらやましい・・・」

紗織は真心を込めて星華に接したまことの表情がどうしても忘れられないでいた。

「でも、星華さん・・・お弁当のありがたさが分からなかったんだよね?それにこの前貴女が言った意味深な発言・・・」

「うん・・・まだ信じたくはないけど・・・私の直感はほとんどの場合、当たるから」

紗織は同時に銀河姉妹から感じ取った雰囲気が普通ではないことも気にかけていた。

星華が月影の騎士ではないことは既に証明された。と同時に、彼女達が何を考え、何をしたいのか。いまいち目的が掴めないまま、疑問だけが募る。

「もう1つ、月影の騎士様のことを感じ取ることが出来るのが私だけ・・・これが意味するものって、何だろう?」

「分からない。でも、紗織と月影の騎士には何か深い縁があるのは間違いないんだよね?」

「そう、それが何なのか、前進しているのか、そうでないのか、はっきりしないのよね」

紗織と月影の騎士の関係性。紗織に突き付けられた新たなる課題。否、試練と言うべきだろうか?これを解決しない限り、紗織は先に進めないことを自覚していた。

「さて、今日は久しぶりにミカと十番街に行く約束だから・・・出かけるか!」

「OK、久しぶりにミカちゃんと一緒にいるんだからちゃんと気分転換してね!」

ここ最近、ミカと合う機会がなかったがようやく時間が出来たため紗織はミカと一緒に十番街へ行くことになった。

火川神社で今まで起きたことの情報整理も兼ねてのことである。もう1つのプランとしてバロンドールの高木に相談することも検討したが紗織としては出来れば無関係の高木は巻き込みたくないと願っていた。
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