〜Another Moon,Other Stars〜 無印編

□友情のメリーゴーランド!遊園地へようこそ
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 “・・・お願い・・・プリンセス・・・銀水晶を・・・お願い・・・”

“母上様・・・どうして・・・私に・・・”

“プリンセス・・・良く・・・聞くのです・・・我が王国に伝わる銀水晶は・・・セレニティと・・・プリンセス・・・が・・・”

“母上様・・・私・・・どうすれば・・・”

“現世では・・・叶わぬ夢でも・・・未来に・・・必ず・・・”

“母上・・・様・・・”

“ですから・・・プリンセス・・・銀水晶を・・・もう・・の・・銀水晶を・・・”

その日、紗織は夢を見ていた。

以前は二人のプリンセスが互いを想い口づけを交わすシーンで終わったが今日見た夢は全く違うシーンだった。

「プリンセス」が「母上」と名乗る人から「銀水晶」について何かをお願いされる夢。

紗織はその生々しい光景を忘れることが出来なかった。

ひとつはっきりしているのは夢が何かを告げようとしていること。

そして、紗織がどこかで見たことがあるという既視感。

(あの光景、前のもそうだけどどこかで見た気がする・・・遠い、遠い昔に)

紗織は夢のことについてあれこれ考えてはいたがどうしても結論が出ない。

何か大切なことを忘れているがそれが何なのか、思い出したくても思い出せない。

今、考えても結論が出そうになかったので紗織は思考回路を切り替えてパソコンを起動して海外にいるママ宛に今日の連絡をする。

『Dear Mom.

今日はミカと一緒に遊園地に行くことになったの

でも、これにはちょっとした訳があってね・・・元はと言えば約束を破った私がいけないんだけどね

その埋め合わせのために、と言われて行くことにしたんだ

今日は思い切り羽根を伸ばして楽しんでくるね♪

仕事が落ち着いたら一緒に遊園地に行きたいね

From 紗織』

「あ、おはよう紗織。今日は遊園地に行くんだよね?」

「おはようシルフィ、私が言い出したことだからね。きっちりミカにお詫びしないといけないし」

紗織が言ったお詫び、とはこの前セーラーセレネスから頼まれた特訓の光景を一緒に見ることだった。

しかし、紗織=セーラーセレネスでその場に居合わせることが出来なかったためやむを得ずミカの要求を黙って聞き入れて何でもいいから好きなことをミカのためにする、だった。

あれこれと悩んだ結果、ミカは紗織を連れて遊園地に行く、という結論に落ち着いたのだった。

もっとも、つい最近出来た新しいアトラクションを楽しみたい、というのは明らかに見え見えではあったがそれも含めて紗織はミカの要求を全面的に受け入れたのだった。

「じゃあ、そろそろ行こうかシルフィ!」

「OK、いざ出発〜!」
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