〜Another Moon,Other Stars〜 無印編
□乙女の夢を乗せて!?ミカの花嫁奮闘記
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“母上様・・・どうしても・・・ですか?”
“プリンセス・・・残念ですが・・・月の王国を守るためなのです・・・”
“セレニティがお許しになっても・・・ですね?”
“私も出来ることなら貴女達の幸せを願いたいですが・・・”
「誰か」と「プリンセス」が話を終えると「プリンセス」は部屋を後にする。
「プリンセス」は独りどこかの部屋へと向かって行った。
たどり着いた部屋は宮殿と思われる箇所の一番奥に位置する部屋。
扉の前にいた衛兵と思われる女性達は「プリンセス」の姿を確認すると「プリンセス」を中へと招き入れる。
“セレニティ・・・やはり・・・ダメでした・・・ごめんなさい・・・”
“貴女が謝る必要は・・・ないわ。これも運命ならば・・・”
“セレニティ・・・例えどれだけ離れようとも私達は・・・・お互いを一番に想い、愛し合うことに変わりはありませんよね?”
“ええ、プリンセスが望むなら・・・私も・・・”
“セレニティ・・・”
“プリンセス・・・”
大きな部屋の真ん中にある大きなベッドの上に「プリンセス」と「セレニティ」は寝転がり、抱きしめ合い、お互いの唇を重ね合う。
気持ちを確かめるように何度も、何度も・・・・・
“良いですね、プリンセス?もう1つの銀水晶は・・・貴女に・・・託します”
“分かりました・・・母上様。どれだけ時間がかかろうとも必ずや・・・”
“プリンセス・・・お達者で”
「プリンセス」は目に涙を浮かべながら王国を後にする。生まれてからずっと住み続けた「故郷」を離れることの辛さ、愛し合った者同士が別れることの辛さ、そして、これから起きることに対する自分自身の無力さ、全てを受け入れた一人の少女は何を想うのだろうか。
一粒の涙が零れたところで紗織は目を覚ました。
紗織がセーラー戦士になってからだいぶ日がたつがおぼろげながら段々と夢の全体像がはっきりしてきた。
夢を見た日に覚えている限りのことを「夢ノート」に記すようにしておいたこともあり、このこともシルフィに話すと紗織は前世の夢を見せられているのではないか、と言う結論になった。
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