〜Another Moon,Other Stars〜 無印編
□親子の絆!未来への胎動
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ここは紗織の自宅・・・・・
紗織はパソコンの前に座り、キーボードを叩いて何かを入力しては消し、また入力してはまた消し、を繰り返しながら何とかひとつの作業を終える。
『Dear Mom.
今日はとても大切な相談があるの、聞いてくれない?
実は私、新しい中学校へ転校したいの
十番中学校って言うところでね、そこには私が幼い頃に大切な約束をした友達が通っているらしくその子が大切な約束を果たしたいから一緒に来ないか、って私を誘って来たの
10年前の約束だったから私は忘れていたけどその友達はそれを覚えていてくれたの、でも私にはミカという一番大切な親友というべき子もいるから・・・なんと話せばいいのか
ねえママ、近いうちに日本に帰ってくる予定があったら私の相談に乗ってくれないかな・・・私独りでは決断できそうにないから
From 紗織』
「これで・・・よし・・・」紗織は肩を落としながらパソコンの前から立つ。
「紗織・・・ずっと悩んでいるね。あまり考えすぎちゃダメよ?」
「ありがとうシルフィ・・・私、大丈夫かな・・・ミカがどう思うか心配だし、せっかく慣れてきた学校生活だけど・・・どうしようか?」
「ところで紗織って日本での生活、短いの?紗織と会う前のことは全く知らないんだけど・・・」
「あ、シルフィには言ってなかったね。私、小学校に入るまではずっと海外暮らしだったの。親について回ってあちこちの国に行ってたからあまり友達がいなかったんだ。
でも、小学校に入って初めて出来た友達がミカでそれ以来ずっと何をするにも一緒だったから」
紗織は昔の自分のことをシルフィに対して話し出す。
「・・・だから、今の私にはミカが一番大切なの。でも、遠い昔、前世の私がプリンセス・セレニティを愛していたことを思い出してからはその人に会いたい、会いたいって気持ちが強くなって・・・何かミカに悪いことをしているって自覚あるし」
「紗織、今はゆっくり考えましょう。ミカちゃんにも時間が経ったらちゃんと本当のことを伝えればいいんだし」
シルフィが軽くウィンクして紗織を励ます。紗織はシルフィに答えてうんと頷くと暗い表情を崩して笑顔になる。
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