〜Another Moon,Other Stars〜 無印編
□それぞれの決断!決戦へのカウントダウン
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ここは空港・・・・・
今日も日本を旅立つ観光客、仕事のため訪れる者、海外から帰って来る者、そして仕事のために海外へ出向く者達・・・
数多の出会いと別れが繰り返される空の玄関・・・その来訪者の中に赤いスーツケースを携えて日本を訪れる1人の女性。
ある少女から大切な相談があると聞きつけて急遽、予定を繰り上げてはるばる少女のために日本を訪れていた。
彼女の名前は久保 静香、紗織の母親である。静香婦人は空港を出るとタクシーに行き先を告げる。
若いタクシーの運転手は慣れない手つきながらも静香婦人の指定した場所まで車を走らせていく。一時間ほどしたところで指定された場所に着き、タクシー代を払って静香婦人はタクシーから降りる。
「うんうん、これもいい感じに映ってるよ。バッチリ!」
「そう、だいぶ私の写真の腕も上がってきたかな〜、満足満足!」
紗織はミカと電話で話し合っている。
紗織とミカが話に花を咲かせているときに玄関のチャイムが鳴る。
「あ、ごめん。お客様みたい。またあとから電話するね」と電話を切るとどなたですか、と言いながら紗織は玄関へと向かい、シルフィは押入れの中に入り、見つからないように隠れる。
「待って下さい、今開けますから」と玄関の錠を外す。
「ただいま、紗織。大きくなったわね」
「マ、ママ・・・明日来るんじゃなかったの!?」
「あのね、仕事が早く終わったから1日早く飛行機に乗れたの。それで早く来れたのよ」
「そうなんだ・・・私のためにわざわざごめんね、疲れてない?」
「紗織の顔を見たら疲れなんて関係ないわ。それより、荷物を部屋まで運ぶの、手伝ってくれない?」
「あ、いいよ。このスーツケースかな?」
「そうそう、お願い」と言うと静香婦人は紗織にスーツケースを手渡し、紗織はスーツケースを受け取り静香婦人が寝室として使っている部屋へ運んでいく。
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