〜Another Moon,Other Stars〜 無印編

□闇夜の終焉!プリンセス・セレナ降臨
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 「あのおびただしい影・・・あれは全部妖魔なのですか!?」

「セーラーセレネス、無茶よ、あんな数相手に出来ないよ!」

「例え私1人の力では無茶と分かっていても・・・例え一人も倒せずに力尽きたとしても・・・

それでも私は、セーラーセレネスは人々のために戦わなければなりません。ミカさんや、プリンセス様、みんなと約束したことですから・・・」


「セーラーセレネス、貴女という人は・・・こんな状況でも諦めないっていうの?」

シルフィはセレネスの強い意志に触れ、最後まで一緒に戦う覚悟を決めた。

セレネスもまたスティックを握る手を強めて妖魔の群れと対峙する。

今にも獲物を貪ろうとしている妖魔の群れはビルの屋上で待ち構えるセーラーセレネスに見定めて、攻勢を開始する。

来た、と感じたセレネスは身構えて妖魔の群れと戦闘態勢に入る。

先頭に陣取った群れとの激しい攻防を繰り広げながら屋上の限られたスペースを最大限に活かして、間合いを取りながら1体、また1体とセレネスは妖魔を撃破していく。

極力必殺技を使わずに体術を中心に相手をするが見物人に危害が及びそうになったと感じた場合は躊躇なく持てる手段を駆使して被害を防いでいく。

「倒してもまだキリがありません・・・でも何とかしなければ!」

しかし、倒しても倒しても一向に減る気配がない妖魔の群れを前に次第に力を消耗していくセレネス、それを見逃さず襲い掛かる妖魔の群れを前に遂にセレネスはスティックを落として捕まってしまった。

「セーラーセレネス!」

「くっ、このままでは人々が・・・人々が・・・せめて、もっと力があれば・・・護るための力があれば・・・私の命が尽きようとも、誰も傷つかないように・・・守らなくては!」

捕獲されたセレネスを尻目に次の目標を逃げ始めた見物人に切り替え、襲う体勢を整える妖魔の群れ、なす術もなく見ているだけの状況に追い詰められたセレネスは護るための力が欲しい、と心の中で強く望んだ。

すると、セレネスの耳元にどこからか声が聞こえてきた。

“セーラーセレネス・・・聞こえますか・・・セーラーセレネス”

「その声は・・・お母様、クイーン・セレニティですか?」

“セーラーセレネス・・・いえ、プリンセス・セレナ。今こそ貴女の本当の姿を、本当の貴女の力が必要とされるときです。さあ、プリンセス・セレナ。目覚めるのです!”

「分かりました、お母様、やってみます。」

クイーン・セレニティの声に導かれるままセレネスはプリンセスになる自分の姿を思い描く。

刹那、セレネスの身体を白銀の輝きが包み込み、取り囲んでいた妖魔の群れはその光に触れて浄化されていく。
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