〜Another Moon,Other Stars〜 無印編

□もう1人のセーラー戦士!コードネームはセーラーV
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 『Dear Mom.

この前行った宝石展に宝石泥棒が現れたの

私とミカが力をあわせて泥棒を捕まえることが出来たから私達は博物館の人からありがとう、って言ってもらえたよ

綺麗な宝石もいいけどありがとう、の一言だけでも十分な価値があるって思った1日だった

ママもお仕事忙しいかもしれないけど誰かのありがとう、のために精一杯頑張ってね

From 紗織』

「これでよし、と」

「この前の宝石展のことをママさんに報告したのね?」

「うん、あの時は銀水晶の手がかりは見つからなかったけど・・・それより、シルフィ、ちょっと話があるんだけど?」

「何、どんなこと?」

「今朝、夢を見たの。2人のお姫様が・・・どこかの宮殿にいてね、それでキスする・・・夢」

「お姫様って・・・月のプリンセスのこと?」

「確信はないんだけど、確かに一方のことをプリンセス、とは言っていたわ。もう一方は・・・セレニティ、とか何とか」

「セレニティ!?それって、プリンセス・セレニティのことかも!」

「本当、シルフィ!?私が探さなきゃいけない月のプリンセスの名前ってプリンセス・セレニティって言うのね!?」

「間違いないよ、プリンセス・セレニティが銀水晶の持ち主だよ!」

思いもよらぬ事実、そういう表現が似合うかもしれない。

紗織が夢で見た光景が月のプリンセスの正体を突き止めた、それだけでも十分な発見であった。

だが、そのプリンセス・セレニティとキスをしていたもう1人のお姫様は一体誰か?

顔を見たはずなのにどうしても思い出すことができなかった。

プリンセスの正体がはっきり分かったはずなのに?

「ところで、紗織?学校はいいの?」

「あ・・・しまった、電車に乗り遅れる〜!」

「ちょっと紗織、私のコーヒーは〜?」

「あ〜、す、すぐ用意するから〜!」

思わず考え込んでいるうちに紗織は学校に行く電車の時間に危うく遅れそうになり慌てて出かけていく。

シルフィへのコーヒーを用意していたら間に合うかどうかの微妙な時間に駅へたどり着き、間一髪のところで電車に飛び込んで乗り遅れる最悪の事態は免れた。
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