〜Another Moon,Other Stars〜 無印編
□乙女の夢を乗せて!?ミカの花嫁奮闘記
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学校へ出かける前の支度を終えた紗織はパソコンの前に座りママへの定期連絡メールを入れる。
『Dear Mom.
この前遊園地で新しい友達が出来たよ
愛野 美奈子ちゃんっていう隣町の十番街に住んでいる子なんだって
少し遠いところに住んでいるからいつも会えるわけじゃないけど
携帯とメール交換はして、いつでも連絡しあえるから大丈夫
ママもお仕事だけじゃなくプライベートで付き合っている友達が沢山いるんだよね?
ママみたいな親交の深い人付き合いが出来るか、これからも楽しみだよ
From 紗織』
「これでよし。じゃあ行ってくるからいい子にしててね、シルフィ」
「行ってらっしゃい、紗織」
(アルテミスは紗織と私は大切なことを忘れている、と言った・・・前世の記憶のこと・・・でも、紗織の前世って・・・)
シルフィはとても大事なことを忘れていることを自覚していた。
しかし、思い出してくてもどうしても思い出せない。
紗織をセーラー戦士に導くのが自分の使命で、紗織に対してプリンセス・セレニティと銀水晶を探すように頼んだのも自分だった。
だが、それ以上に大事なことを忘れていたとしたら・・・?紗織に対して申し訳ないことをしてしまったのではないか、と思い始めた。
その日も学校を終えて紗織は学校から帰宅したのは夕方だった。
紗織が郵便受けを見ると、そこには見慣れない1通の真っ白な封筒が投函されており差出人がなく『久保 紗織様へ』とだけ書かれていた。
紗織は不審に思い中身を見もせずにゴミ箱へ捨てた。今は物騒な世の中だから愉快犯だろう、と紗織は考えることにした。
シルフィと夕食を終えた後、宿題を手早く済ませた紗織はパソコンでインターネットを楽しんでいると突如、携帯電話が鳴った。電話の主はミカだった。
『紗織、今日来た郵便見た?』
「郵便?う〜ん、真っ白な封筒が1通だけしかなかったけど?」
『そう、その封筒!今度の日曜、十番街で花嫁教室を開くんだって!しかもタダ!紗織も一緒に来ない?』
「花嫁教室?ちょっと待って」というと慌てて紗織はゴミ箱に捨てた封筒を引っ張り出し、封を開ける。
ミカの話によると今度の日曜日に有名な結婚式場会社が女性を対象とした花嫁教室を開くと言う。
内容を確認した紗織はミカにこう尋ねた。
「ミカは・・・行く気でいるの?」
『もちろん、タダなら行くっきゃない!ウェディングドレスがタダで着られるかもしれないし!』
「分かった、ミカが行くって言うなら私も一緒に行くわ」
その後も話が続き、一通り話が終わり紗織は携帯を切る。
「シルフィ・・・」
「うん、分かっている紗織。ダークキングダム絡みかもしれないから調査に出向く必要がありそうね」
「分かった、向こうがその気ならこちらから出向くことにするわ」
紗織はこの花嫁教室の裏にダークキングダムが絡んでいると察知し、決意を新たにする。例えどんなことがあろうとミカだけを危険な目に遭わせる訳にはいかないから。
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