ア・ダ・ル・ト・チルドレン(ア・ダ・ル・トが禁止語句である為以下ACとします)
ACとは、極端にいうと「トラブルのある家庭で育ち、トラウマを背負ったまま、大人になった人」の事です。
この場合のトラウマは、幼い子供が親から正当な愛情を受けなかった為に心に深い傷を抱える事を言います。いわば「家庭内トラウマ」です。
例えば、親から身体的・性的虐待を受けた子供は、心に深い傷を負います。直接暴力をふるわれなくても、父母が年中ケンカしていたりすると、子供の心は傷付きます。
そのような家庭で育った子供は、大人になってから、自己評価が極端に低い、見捨てられるのではないかという不安が強いNOと言えない、自分の存在意義を他人の評価の中に見いだそうとする、人にしがみつく事を愛情と混同する、何があっても楽しめない、他人に懐疑的、怒りを爆発させる−といった性格が現れてきます。この言葉は元々は「AC・オブ・アルコホリック(ACOA)」の略語で、アルコール依存症の親元で育った子供を指していました。
酒浸りで暴力をふるう父親と、それを止めない母親。
そんなトラブルの多い家庭で育ち、大人になっても後遺症に悩む人の事です。
その後「子供の成育に悪影響を与える親の元で育った人」の意味に広がり、ACディスファンクション・ファミリー(ACOD)の略語になりました。
ACは学術的な名称ではなく、自己認識の為のターム。あくまでも自己申告が基本で、過去の自分を見つめ直しトラウマからの回復の道を探る為の言葉です。
但し、最近のアメリカでは、ACは使われなくなる傾向にあるそうです。

インナー・チャイルド
「自分はACだ」と自覚した人は、心の中に潜む「インナー・チャイルド」を癒やす必要があります。
インナー・チャイルドとは、幼かった時に気付いた心の事で、インナー・チャイルドを抱えたまま大人になるとACになります。大人になっても、その人の心には「傷付き、怯え、泣き叫ぶ子供」が住んでいます。
だから、ACを克服するには、その内なる子供をなだめてあげる必要があるわけですが、そのためには、次の「三つのR」が必要だと言います。
一つ目は、再体験(Re-experience)子供は、生まれた時から、様々な体験をしながら育っていきます。その中には、生きる希望や喜びを与えてくれるものもあれば、思い出したくないような辛い経験も含まれます。そして、それらは、知らず知らずのうちに、その人の行動パターンを左右します。
再体験というのは、自分の内部を探り、しまいこまれているトラウマ体験を蘇らせる事です。
そして、「あんな事があったから、今の自分はこういうマイナスの行動を取るようになった」と認識します。その後、蘇った感情を(Release)して外部に発散し、再統合(Re-integration)します。
トラウマとなった体験を忘れようとしないで、自分の過去の物語として、心の中に吸収させるのです。
その際、自分の中の「インナー・チャイルド」に共鳴し、子供だった自分が求めていた言葉や行為(抱きしめる、頭をなでてやる等)を存分にしてあげるのです。
すると、インナー・チャイルドは、共に嘆き悲しんでくれた事に慰められて、何十年も続いた苦しみから抜け出す事が出来ます。

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