この症候群は、呼吸すればするほど息が苦しくなるという、病気です。激しい運動をしたわけでも、喘息の発作が出ているわけでもないのに、突然、息が苦しくなって、空気をいくら吸っても吸いたりない気がします。
ハアハアと呼吸が速くなり、しまいには失神して救急車で運ばれるケースもあります。
ところが、病院で心電図や脳波を調べても、異常は見つかりません。それもそのはず、過換気症候群は、体の疾患ではなく、心因的な要因で起きる”ストレス病”の一種だからです。
これまでは、10代〜20代の若い女性に多い病気といわれ、精神的な未熟さが原因になると考えられてきました。つまり、自分でストレスを処理しきれなくなったとき、その辛さを周りに知ってもらう手段として、本人も無意識のうちに過呼吸の発作を起こすと見られていましたが、最近は、男性や働き盛りの30代、40代の患者が増えてきています。
これには、子供っぽさを引きずったまま中年になる人が増えてきている現代社会の一面と関係すると見る専門家もいます。
過換気の発作そのものは、死にそうな程苦しくても、死ぬことはないといわれています。だからといって軽く見ていると、発作を繰り返すという悪循環に陥って、うつ病を誘発することもあります。気を付けましょう。

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