燃え尽き症候群(バーンアウト・シンドローム)とは、その名の通り、働き過ぎで、体にも精神面にも疲労が溜まり、急にプッツンと糸が切れたみたいにうつ状態になる事を言います。
そうなると、体が重い、頭痛がする、風邪が治り難い、等の体調不良の症状に見舞われるようになります。
更に、眠れない、朝ベッドから出られない、会社に行きたくない、イライラして周囲に当たりちらす、等の症状が現れる。
こうなると、要注意です。そのうち、突然の辞職、アルコール依存症、自殺ーという事態に発展しないとも限りません。
燃え尽き症候群は、よく自動車のオーバーヒートに例えられます。アクセル全開で走り続ければ、どんなクルマだって、そのうちエンジンが悲鳴をあげてストップしてしまう。人間の心身も、エンジンが焼き付くように、いつかは燃え尽きるというわけです。
では、燃え尽き症候群は、単に働き過ぎが原因なのでしょうか?
オーバーヒートしないように、時々アクセルを緩めるように仕事をしていれば、防げるのでしょうか?
”働きすぎ”ももちろん大きな原因ですが、実は、気を付けたいポイントが他にあります、人間関係です。
燃え尽き症候群は、一九七〇年代にアメリカの精神科医フロイデンバーガー博士が命名したもので、最初は勤勉な看護師やソーシャルワーカーに多く見られました。その後、対人専門職の人たちのあいだに広がっていき、今ではいわゆる”働きすぎの会社人間”たちにも燃え移っています。
つまり、この症状、単なる働きすぎ、というよりも、もともとは仕事の中の対人関係のストレスからきている部分が多いのです。
対人関係でもっとも重要な事は「距離感」です。もっとも近いのが家族、つまり妻または夫、子供、親、時には”家族同然の親友”が含まれるかもしれません。
次が、やや距離を置いてつき合う人たちで、親戚や友人たちがこれに当たります。
最後にもっとも、距離を置いてつき合う人たち、仕事関係で会う人たちや、ご近所付き合いです。普通は、対人関係に注ぐエネルギーも、この優先順位になるはずです、ところが、現代社会では、時々これが逆転してしまいます。会社や仕事での人間関係にエネルギーを使い果たしてしまい、本来、心休まる筈の家庭でのコミュニケーションが疎かになってしまいます。
この事が、燃え尽き症候群の原因になっている場合が多いのです。つまり、働き過ぎの会社人間だから、燃え尽き症候群になる、のではなく、仕事上の人間関係に疲れてしまって、癒してくれる筈の人(家族等)との人間関係も疎遠になってしまい、心を癒やす場を失い、ついに、燃え尽き症候群になる、と考えた方が分かり易いです。
仕事をバリバリこなすのも構いませんが「
仕事が全て」にならないように、キッチリ線を引いて「プライベートな時間」を意識して持つようにしましょう。それが、この症候群の予防策です。

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