追う兎と追われる兎

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同族の首を持っている羅季










嗚呼









羅季は禁忌を犯した







同族殺しという禁忌












『お姉ちゃ…………』





あまりの光景に言葉がでない



足が自分のものと思えないくらい震える







なのになぜ



なぜ笑っているの………?








「慧磨、おいで。夜兎と戦いに行った者達は帰っては来ないよ」



『……え………』



羅季はそういって屋根から飛び降りる







あまりに一度に事実を知りすぎて頭が追いつかなくて理解ができない










理解したくない








屋根の下を見れば羅季が手招きしている



笑っているが、どこか冷たい感じがした







「はやくおいで」




口調は柔らかいがその威圧感から命令と理解する






慧磨は屋根から飛び降り羅季と距離を置いて近くに立つ






その様子を見てからか羅季の顔から笑顔が消えた




「ついておいで、これから天孤族の全てを教えてあげる。でもそれを知ったら慧磨は此処にいれないよ。選んで?あたしと来るか此処に残るか……」








お母さん







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