追う兎と追われる兎

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「じゃ、そういうことだから」


団長は勝ち誇ったように高杉を見る




「…ククッ………甘ェな……」


高杉がまた子さんを見た




その瞬間




「ごめんッス」


体がふわりと浮いて視界が回る


『なに!?』





「慧磨!」


『え!?………団長ォォォォ!!』


とっさに手を伸ばし団長もわたしに手を伸ばすがあと少しのところで空を切る





団長の姿がだんだん遠くなる



わたしはまた子さんに抱き抱えられ連れ去られたのだ






『団長ォォォォォ!!!』




















連れ去られた先は船


おそらく鬼兵隊の船だろう




「ここまでくればもう大丈夫ッス」


そう言いわたしを降ろす




『…………して…』


「なんスか?」



『どうして連れ去るんですか!』




慧磨は怒鳴る




「そりゃ、お前ェが珍しいからだ…」


少し離れたところに高杉がいた


わたしが怒っているのを楽しんでいるみたい








連れ去り




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