追う兎と追われる兎

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「やぁ、旦那」


「………てめーは…」


再会早々睨み合う二人




『二人とも…今日はやめとこ?』


めんどくさいんで…



「てかさ、なんで旦那は俺の慧磨に気安く話し掛けてんの?」


「え?お前らそうい『違うわ!!!』



銀さんの胸倉を掴むと団長が私の手を掴む



『…団長?』


いつもは笑っていて見えない団長の深蒼の瞳がわたしを映す


な、なんか緊張してきた…





「慧磨は俺以外触っちゃダメ」


『…は?』


珍しく真面目な顔したから何言うかと思ったのに!!


何言ってんのこの人!?




「おーい、お二人さん」


はっとして銀さんを見れば
ニヤリと笑い面白そうにこっちを見ていた



『いやいや、全くそういうのは無いから』


疑うな、天パー野郎



「てかさ、慧磨と旦那って知り合いなの?」


団長がいきなり口を挟んできた



『……』


あんま言いたくない…


「戦場であったんだ」


銀さんが真っ直ぐ団長を見つめる



「ふうん…」


珍しくおとなしい団長



「やっぱ慧磨には血が似合うよね」


やっぱり団長は空気を読まない


「……」

銀さんまでもが言葉を失う




団長はKYだ




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