追う兎と追われる兎

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『あぁぁぁぁあ』



どうしよう


絶対怒ってるよ




いつにも増してきっと笑顔なんだよ








「……阿伏兎」



ドキィ!!!




「なんだ?」


「上(元老院)に報告よろしく」


「またか…」




団長は一言だけ吐き捨て
自室に向かって行った



極上の笑顔で





『(一回も見られなかった)』



めっさ怒ってんじゃん









「……(やれやれ)」


阿伏兎はそんな慧磨をみていた






グルッ



「うおっ!?」


いきなり振り向いた慧磨にびびる阿伏兎





『…阿伏兎さん、私は捨てられるんですか?』




「は?なに言ってんだ」





『だって…』



極上の笑顔だったんだもん


殺気で空気ピリピリだったもん





「…あのなぁ今回お前さんの居場所を調べて助けに向かったのは団長の意志なんだぞ」


調べたのは俺だけどな。と呟く




『え…嘘…』


「嘘じゃねえよ…ほら、団長が待ってるんじゃないか?」



『団長が………』



「もう俺は行くからな」

阿伏兎はどこかへ去って行った






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