【外伝 結局いつもの生徒会】




「誠実な心を持ってこそ、真の主人公なのよ!!」
会長がいつものように小さな胸を張ってなにかの本の受け売りを偉そうに語っていた。
というか、もうこれどう考えたって誰に向かって言っているかわかりすぎるんだが…。
「……会長、それは俺に言ってます?」
しずしずと俺がそう言うと会長はびし!と指を俺にさし「当たり前でしょう!?」と言って来た。
「今日という今日はこの二次創作という場を借りて一読者に目を向けられないことをいいことに徹底抗議するわよ!!」
「うわ!言っちゃったよこの人!二次創作として出されているキャラは暗黙の了解として言わないようにしている禁句をさらりと言ったよ!!」
そう、ここは二次創作。つまりは作者様が書いたわけではなく俗に言う真冬ちゃんみたいな人たちが書いている場なのだ。
うわぁ…これは面倒くさそうだぞ。なんせこの会長だ。絶対この場を借りて一日お説教タイムにしてしまうだろう。折角の二次創作で一読者に向けられないからこそエロエロのみだらな描写があったっていいもんじゃな――――――

「ほら!!もうすでにそういう思考がだめなのよ!!心から腐っているわ!」

ダメ出しされてしまった。
どうでもよくない気もしないが、どうしてこっちの地の文を読めるんだ。
「キー君がわかりやすいからじゃないかしら?」
「だからなんでわかるんですか!!」
知弦さんの言葉に俺は青ざめる。なんなんだここの生徒会メンバーは!
エスパーか!そういう持ち主か!!絶対可憐チルド○ンもびっくりだわ!!
「いい?今日はとにかく杉崎のこの性格をどうにかするわよ!!」
「ひどい言われようですね。人をなんだと。」
「杉崎は、人じゃないもん。」
「だからなんで俺は人類として認めてくれないんですか!!!」
いい加減原作でももう恒例となっている、「杉崎 is ノン人類」ネタ。
「あのあの、じゃあ具体的に一体何をするんですか?」
ここで今まで黙っていた椎名姉妹の妹ポジション、真冬ちゃんが発言をする。
真冬ちゃんのこの発言に対し姉ポジション、深夏も「うんうん。」とうなづく。
「確かに鍵はスケベでどうしようもない最低野郎だけど今までだって何回かどうかしようとして結局今日まで来ちゃったじゃねぇか。」
深夏のもっともな意見に会長がちょっとひるむ。
「うっ…、だから、今日こそ、杉崎を更生させるの!」
「あれ!?会長漢字が違いません!?」
その文字だと俺は一度死ななきゃいけないようですが!
「え?違わないよ?杉崎は一度死ぬべきだよ!」
「そんないい笑顔で言わないでくださいよ!殺す気ですか!!」
「失礼な、殺すんじゃなくて、自殺させるんだよ!むりやり!」
「お前らは悪魔かあああああああ!!!!!!!!」
「そんで、知弦の人体錬成で、更生!」
「本当にできそうだから余計に嫌だぁぁああぁぁぁぁ!!!!!!!」
怖い!俺を更生させようとする知弦さん、怖い!
なんか知弦さんのことだからエ○リック兄弟みたいに通行料とかいらなそう!怖い!!
「あら、失礼ね。いくら私でも、人体錬成なんてできるわけないじゃない。」
「いや、絶対できる気がします…。」
ふふ、と笑う知弦さんに俺は力なくそう返す。
「だって私の胸の谷間のところにウロボロスのタトゥーがあるもの。」
「そっちか―――――――――――っっ!!!!そっち側の人間なんですかあなたは!!」
「えぇ、何度も死んだことはあるわ。最後はたしか、青い軍服を着た焔をつかう大佐さんに殺されたわ……。」
「確かに黒髪長髪ですけども!!!」
「あぁ、それから自分のサーヴァ○トを戦場においてったこともあるわ。」
「フェ○ト!?ってアーチ○ぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁあ!!!!!!!」
「マ○ロスFに、三人目歌姫も決定しているわ。」
「決定してるんですか!!!でも見てぇ!聞きてぇ!!」
ピンク髪の綺麗め歌姫と緑髪の可愛い歌姫と黒髪のクールビューティー歌姫!
うわ、何コレすごいことになりそうなんですけど!!
「こらあぁぁぁぁ!!!!!!脱線してるううぅ!!」
「あ。」
俺と知弦さんの距離が詰め寄った途端それを裂くように会長が割り込んできた。
「嫉妬ですか?会長。」
「もうその言葉も禁止!聞き飽きたし、そういうことは言わないの!」
今日の会長は普段より一段と厳しかった。
仕方がないので今回は素直に会長の意見に従っておく。
「じゃあ、具体的に俺はどうすればいいんですか。死ぬ関係以外で。」
「そおねぇ…、ここは他の人の意見も聞いてからにしましょうか。」
と、珍しく自分の意見を言わず他人を優先する会長。
「というわけではい!真冬ちゃんからどうぞ!」と満面の笑み。
………こういうときの会長って絶対なんかたくらんでんだよな。
「ほ、ほえええ!?真冬からですか!?」
いきなり話をふられたためにあわてふためく真冬ちゃん。……可愛い。
一応告白されて晴れて恋人(といえるものかはまだしも)みたいな関係になった真冬ちゃんなら、きっとそこまでひどいことは言わないはず―――――――

「えっと、先輩はいっそのこと女性相手ではなく、男性相手にハーレムをつくるべきです!」
「一瞬でも期待した俺が馬鹿だったあああぁあぁあぁぁぁぁぁあ!!!」

真冬ちゃんのまさかのBL男性ハーレム宣言はさすがの俺でも考えがなかったぁぁぁぁぁ!!
ちょっとは「中目黒先輩とくっつくべき」とかはありそうとか思ってたけどそれをはるかに超えてたぁぁぁぁ!!!
「いいじゃないですか!男性ハーレム!うはうはですよ!」
「うはうはじゃないよ!むさくるしいよ!!そんな野郎だらけの悲しいハーレムなんて更衣室だけで十分だよ!」
「すでに持ってるんですか!?更衣室で!」
あ、しまった。
今・真冬ちゃんのスイッチが入った気がした。
実際俺が言った意味は野郎ばっかで男のハーレムっぽいかんじでむさくるしいって意味だったのだが。
しかし、真冬ちゃんのいきおいはもう止まらない。
腐女子というのは、それっぽい設定をあげただけでどんぶり50杯はいけてしまう人物なのだ。
『二部屋しかないから、サ○ラが一部屋、ナ○トとサ○ケは二人でひとつの部屋だよ。』ってなんか原作でもありそうなそんな旅の設定のセリフひとつあたえただけで猛烈に発進すると思う。ピンク色の世界に。
多分、この日本で今まで繰り広げられてきたひどい戦争も妄想力が戦力だったら日本もひどい被害を受けずに余裕で勝っていただろう。
「えっと……真冬ちゃん。男性ハーレムは、勘弁してください。」
「仕方がないですねぇ…。じゃあいっそ中目黒先輩との本格ラブロマンスに…。」
「お願いだから俺をBLの道に染めないでくれる!?」
結局中目黒が出てきた。
「もう!そんなにわがままばっかり言って!先輩への好感度が600下がりましたよ!」
「そんなに!?てか、BLを受け入れないと好感度下がるの!?」
「下がります!好きな女の子の趣味がたとえちょっとおかしくても本当に愛しているのならば受け入れるべきです!」
「いや、受け入れてはいるよ。ただむりやりそういう趣味にさせるっていうのは…。」
「好感度5000ダウン。」
「ええええええええええ!!!!??????」
なんかこの数分の間に一気に好感度落ちた!一番ラブ的告白イベントを終えたメンバーなはずなのに好感度落ちた!
あれ?普通、告白して、またはもらって、攻略したんだよね!?
攻略し終わってるはずなのになんで好感度下がるのぉ!
「あの……真冬ちゃん、俺の精神が死ぬ前に…お願い…。」
「じゃあもう『女性に半径五メートル以内に近づいたら目玉が破裂する』でいいですよ!プンプン!」
「可愛らしく言ってるけど内容はグロいからね!!!??」
なんだ…!?腐女子って…ちょっと、いや、かなりすごくないか…!?
これでも俺は生徒会と、バイトと、勉強と、エロゲで忙しくてもなおまだ一応ツッコミまくる元気があるぐらい、体力には自信はある方なのに……!
そんな俺の体力をたった数分で一気に無とさせてしまうなんて……!!
腐女子……、恐るべし…………!!
「あー、ま…じゃあ、次は深夏!なんかない!?」
俺の衰弱した姿に若干引き気味だった会長はここで話の主導権を深夏に変えた。
「あ…あぁ、そうだな。」
自分の妹の精神攻撃の強力さに深夏も若干引いていた。
「んー、まっ……鍵はなぁ…ハーレムだのエロゲだの、そういうことばっか言うからなぁ……。折角のラノベの主人公なのに。○ャンプとかサ○デーとかの主人公ってわけでもないけど一応男なんだから燃える熱い主人公なんてどうよ!」
「おお!それはいいわね!」
珍しく会長が賛成。本当に珍しい。
「たしかに熱い主人公になれば、乱れていることを求めることもないわ!」
失礼だな。少年漫画の主人公なんて、そりゃ全く女子と接点ないのもあるけど大体はヒロインとちょっとはあったりするのに。意外と少年漫画なんてのほうがそういうのを狙っているのが主じゃない漫画だから自然なエロいシチュエーションとか繰り広げられているのに。
何冊もの少年漫画を読んだことがある深夏はそのことに関してはスルーだ。
それはあくまで主人公の年で、そういうのに興味があっても仕方なく、読者サービスぐらいにしか思ってないのだろう。
「そのとおりだ、会長さん!ある日突然学園に怪物が現れて、それを鍵がさっそうとかけつけて倒す!よくないか!?今までが今まで、女子にハーレムだの色々言ってきた軽い男だと思われがちな淫らな副会長が!学園の平和のために戦ってるんだぜ!?熱いだろう!!」
「いや、まず普通は学園内に怪物なんか現れないから…。」
「鍵!お前何を言ってるんだ!普通は怪物なんか現れない?そりゃあ最初は普通のいつもどおりの退屈な学校生活を送っている少年漫画の主人公は誰だってそう言うさ!だけど、ある日突然黒髪の着物姿の死神少女が現れたり!幽霊と共にあるとかいうシャーマンが現れたり!トイレで首吊りとかいう貧乏神が現れたり!いきなり変な薬で体が縮んでしまったり!そういうありえないことから熱い少年漫画は始まっているんだ!!」
「いや、最後のふたつはあまり熱くはないような……。だって少年誌でもギャグ漫画と推理漫画だし。」
「そうですねぇ〜、あとあと、マ○キンも…確かに熱いような展開はあっても、主人公が熱くはないですよ。BLとしては最高な作品なのですが…。」
漫画というジャンルでは話がつながる真冬ちゃんも自分の意見を少しそえた。
確かに、マ○キンではまず、ヒロインが『ガツガツと熱い少年漫画大嫌い』って熱血を拒否しているもんな。
しかし、深夏の熱血愛はそんなことでは打ち破られない!
「いいから熱血だ!とにかく熱血!女子を護るってのもそりゃいいけどできるだけ今回はその淫らをなくしたいんだから今回は男友達を護る!とか友情とかスポーツで熱くいこうぜー!!」
ううむ……熱血、か。
悪くはないし全く興味がないというわけでもないんだが…。
こう、ハーレムハーレムとか言う前から俺ってあまりそんな熱い系でもなかったし。
「じゃあ…例えば…この生徒会でいつもどおり駄弁って、会議を進行しているときに俺が超直感とかなんかこう、今まで戦ってきた経験で敵の存在に気づきお前らハー……、生徒会メンバーに『ちょっとトイレ行って来ますね』とか言って部屋を出て颯爽と着替えて正体がわからないように変身しその敵をひそかに倒してる、とかか?」
「そうだ!そうやってあたし達に黙って、とか正体隠してる、とかは特にいいよな!かっこいいぜ、鍵!」
「実際俺が行った行動ではなく例えばの話で『かっこいい』って褒められてもなんか微妙だな!」
「あとはだな、鍵は外見もな〜。こうひょろっとしててチャラそうだからな〜。」
「え、外見?」
まさか外見まで言われるとは思わなかった。
これでもそれなりの美少年なのに!

「そうだ!ここはいっそ、リーゼントにしねぇか!鍵!」

「しねぇよ!!なんでこの時代にリーゼントなんだよ!」
「かっこいいじゃん、リーゼント。」
「どこが!?お前一巻の一存でも思ったけど男のかっこよさずれてない!?」
「なんでだよ、少年誌でもリーゼント主人公いるだろ。バリ○ケンとか。」
「確かに一・二話ぐらいはリーゼントでしたけども!!」
「じゃあサ○ヤ人みたいに…」
「嫌だよ!そこまで本格的じゃなくていいんだよ!」
「なんだよ!それでもコスプレイヤーか、お前!」
「俺はコスプレはやってねぇ!!」
くそう!妹が妹なら姉も姉か・・・。深夏って一存時では百合キャラなはずだったのになんだこれ!
熱血にだけ偏ったちょっと恥ずかしい子みたいじゃん!
「でも、確かにちょっとは変えてもいいんじゃない?キー君の外見。」
「知弦さんまで言いますか…。」
歌姫宣言から、ずっと始終ニコニコしながら俺たちの会話を聞いていた知弦さんがここで食いついてきた。
「だって、キー君って普通って感じの外見ほど平凡ではないし、だからといって特徴的すぎるような外見ではないし。なんかこう刺激が欲しいのよね。」
「外見にまで刺激を求めるのかあんたは!」
「だって、刺激がないと。そうねぇ、キー君が私と初めて保健室で会ったとき。あの時の表情とかまさに『私を下僕(いぬ)にしてください』って感じでよかったわよ!」
「ええええええええええええええええええええ!!!!???」
まさかのあの暖かい出会いが裏ではそんな風に思われていた!?
俺、あの優しい扱いに騙された!?
「保健室で、誰もいなかったし。私もちょっと病んでたから、うっかりムチを探すところだったわ☆」
「そんな☆つけて無邪気に言わないでくださいよ!何その衝撃的事実!!」
二次創作なのに原作で語られてない衝撃事実発覚!!
「紅葉☆知弦」
「☆はもういいですよ!そのネタ原作でやってますよ!!」
「つまらないわね。」
「つまらなくていいです。…それで、知弦さんは俺をどんな髪型にしたいんですか?」
「あぁ、私は髪型を変えたいんじゃないわ。」
「え、そうなんですか?」
外見を変えるといったら髪型を変えるのが主だと思っていたから俺はきょとんと口を開く。

「キメラになってほしいな♪」

「ダメェェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!!!!」
人以外のものになること希望だった!!!!
なんなの!?一体俺は何と合成されるの!?
「できれば、ランドセルとキメラに。」
「合成するものは生物じゃなかったあああああ!!!????」
もういい!最初っからわかってたことだけど俺についての会議ってことから俺オンリーのツッコミぐらいわかってた!
でももういい!さっさと終わらせたい!
俺は半泣きながら未だ発言していない会長のほうへ勢いよく振り向く。
「会長!」
「な、なに?杉崎。」
俺の顔が残念すぎるのか、若干ひるんだ会長。
「もうとにかく早くこの糞創作小説を終わらせたいのでさっさと会長意見言って終わらせてください!」
「何その少年誌の打ち切りを早める編集者みたいなセリフ!私の意見はおまけだというの!?」
「早くしてください!このままじゃ俺!会長を襲ってしまいます!」
「そこまで!?いやああああああああ!」


【〜少々お待ちください〜】


「・・・・・・・・・・・。」
「目が覚めた?杉崎。」
「すみませんでした。調子乗りました。」
「わかればいいのよ。」
とりあえず会長のふにょふにょパンチで殴られたあと生徒会室に隠しておいた俺のエロゲソフトを真っ二つにわられそうになったのでやめました。
「えー、では、会長からも何かありますか?」
「ありまくりよ!」
即答だった。
「杉崎はとりあえず、ハーレムとか!エロゲとか!好感度に攻略!そういった発言を禁止するべきよ!」
「えぇっ!それじゃ俺のキャラの8割がなくなることになるじゃないですか!」
「もっと違うキャラにすればいいの!そういう主人公はダメよ!」
「えー、ブー、こういう主人公だからこそ、男性読者にだってまだ好感触なほうなんですよお?」
「ただ同類なだけでしょ!」
「あ、謝れ!俺と同類の人たちに謝れー!二次創作での会長のくせに!」
「原作の私であろうが二次創作の私であろうが私は私よ!」
な、なんと、俺をこんなエロゲ好きにした会長からそんなキャラ付けを禁止されるとは!
調子いいなこの矛盾おこちゃま会長!
「じゃ・・・じゃー、俺はどんなキャラになればですか?」
俺のこの問いに会長より先に可愛らしく「はーい!」と手をあげたのは真冬ちゃんだった。
「先輩、先輩!ア○トになってくださ」
「無理いいぃぃぃぃ――――――――――――――!!!!!!」
最後まで言わせず拒否した俺に真冬ちゃんがショックを受ける。
「な、なんでですか!外見は仕方ないからいいとして中身ぐらいは!!!!」
「無理!あんな美少女二人にかこまれても最終的にどっちも選ばない奴無理!」
「ひ、ひどいです先輩!ア○トファンに謝ってください!じゃあ外見が似てる神○ユウで!」
「・・・えー、あいつは冷たすぎだよ・・・。」
「それがいいんじゃないですか!!」
仕方ないのでやってみることにしました。神田○ウ。知らない人はDがつく元週刊少年ジャ○プ連載の漫画を見てね。


「じゃあ、杉崎。次のキャラは何にするか決めるまでこのキャラで通してね。」
「・・・・ちっ。」
「うわ、舌打ちされた。ひど。杉崎、ひどっ!」
「い、いや、だから神○のキャラでいくとこういう反応しかしないので―――」
「先輩!ちゃんとなりきってください!」
「・・・・・・・あ、あぁ・・。」
な、なんだこれは!新手のイジメだ!
俺のキャラじゃなさすぎる!
なんか恥ずい!めっちゃ恥ずい!俺こんな冷たいキャラじゃないのに!
「じゃ、次は杉崎に何のキャラやらせるうー?」
会長、これ楽しんでるよね。むちゃくちゃ楽しんでるよね。
「アカちゃん、ツンデレはどうかしら。」
「んー、ツンデレはありがちな気がする・・。もっと杉崎のキャラにあわないのがいい。」
わざと!?わざとキャラズレものを選ぶのか!?
「あ、じゃあ幼女設定なんてどう?」
「お、いいわね!ナイス・知弦!」
「どこがだああああああああああ!!!!!!!」
つい突っ込む。
いや、ちょ、幼女・・・・だと・・・!?
「先輩!キャラ!!!」
そして、真冬ちゃんが意外と厳しい。
「え、えっと・・・待て、てめぇら。何いってやがる。」
「ふふ・・、キー君面白い。」
く、くそおおおおおおおお!!!!!!!
何だこの屈辱はあ!?
よくなりチャとかする人いるけどあれはみんなでやるから面白いんだな。これは一人だからいたたまれない!浮いててなんかやだ!
なんかめっちゃ俺、イタい人じゃん!!
「ほい、じゃあ杉崎キャラチェンジ!幼女になって!」
「女の子が男にいうセリフじゃないですよねぇ!?それ!」
「いいから!ほら、今のセリフを幼女風に!」
「・・・・・。」
「早く!」
「・・・・お、おんなのこがいうセリフじゃないよう。そ、それ。」
あ、やべ。
俺、何か大切なものをなくした気がした。
「・・・・・・。」
そして、なんか会長が引いてる。
え?そっちからリクエストしといて引くとかそれないよね?ちょっと?
「ごめん、杉崎。キモイ。」
「うわあああああああああああん!!キモイって言われたああああああああああ!!!!」
めっちゃやるせなああああああああい!!!!!
めっちゃ傷ついたああああああああああ!!!!!
神○のがマシだったああああああああああ!!!!!
「ううん、今回わかったことはどんな杉崎でも杉崎は杉崎でダメってことね。」
「人のこと散々あそびつくして最終的に心痛めつくした人がよく言いますよね!」
う・・、うえええん、真面目にこれ泣くよ・・・。
泣いちゃうよ・・・・。
「・・・・・・。」
そうか、ふふ・・、俺は結局は全てがダメなキャラなのか・・、そうか・・・。
「ねー、杉崎ぃ。」
「はい・・?」
もうあまり力が残ってない俺だがやっぱ美少女が呼びかけてるのでそこらへんはきちんと顔をあげる俺。
するとそこには自信満々な顔つきの会長。
「かいちょ・・・?」
「大丈夫よ、杉崎。」
腰を手につく会長。



「杉崎はそのままでいいんだから。」



「へ・・・・。」
えっと、それは、一体どういう・・・。
俺が困惑して返事をする前に会長はまた口を開く。
「なんだかんだで杉崎をこんなエロゲ好きにしたのは私が原因だもの。」
気がつけば真冬ちゃんや深夏、知弦さんまでも何かをわかっているように笑っていた。
「やっぱ、鍵は鍵でないと、調子くるっちまうしなぁ。」
「いつもの先輩でないと小説のキャラのいじりがいもありませんしね♪」
「私達とともにいるキー君だもの。今更ねぇ。」
え?え?何?何なのこれ?俺だけがなんかわかってない感じ?
「それじゃあ!今日の会議は終了―!!」
「えええええ!!!!???」
なんかよくわかんないまま終わっちゃったー!!
結局どういうことなのぉー!?
と、とにかく、俺はそのままでいればいい・・んだよね?
そうなんだよね?
そんな感じで今日も俺は会長たちを送って、生徒会室で仕事を始めようとするのだった。





そして、今日も結局キー君だけ生徒会室に残って、私達は4人で帰宅をしていた。
「ふう、今日も疲れたわねー。」
「アカちゃん、なんか年寄りくさいわよ。」
「そっそんなことないもん!」
真冬ちゃんがこんな会話の中、ふいに「あの・・」と話を持ち出す。
「ん?どしたの真冬ちゃん?」
「杉崎先輩は、あのままでいいんですよね?」
「・・・・・。」
さっきの会議でのことだ。
まぁ、もう今更なのだけどね。
「もう諦めてるわよ。杉崎はきっともう変わらない。」
「そう・・・ですよね!はい!」
でもきっと、変わらないのは私達も同じだ。
今日もアカちゃんの思いつきで始まった会議だったけれどやっぱり最後はこういう結果になっちゃうのよね。
私達を変えてくれたキー君。
私達を護ってくれてるキー君。
そんなキー君が、変わってしまったら。
きっと、私達にも変化は起きる。
このままの空気をこのままにするには、なんでもない。
キー君がそのままでいることが一番だ。
きっと真冬ちゃんは、一番そういうことに関しては敏感だから、そんな質問したのだろう。

「でも!これからも杉崎には自重するように言っていくわよ!」
「はいはい」

みんな、それはなんとなくわかっていた。
アカちゃんのことだものね。

私達を包む夕焼けはいつもより綺麗に見えた。










***

初、生徒会の一存小説。
原作と似ていたか・・・な?
神○ネタは思いっきり私の趣味です。サーセン。
読みにくいですがちゃんと原作らしく書いています・・・きっと。
四散と五彩の間らへんの設定です。

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