あるところに静かなる世界の王がいました。
そこは、夜の砂漠のテリトリー。世界は“虚園”といいます。
王の名は、藍染惣右介。

そんな王の素晴らしき世界をお見せいたしましょう。



『素晴らしき藍染様の世界 〜ようこそ一護くん!〜』



藍染様の一日は優雅に始まります。
起きたらまずは一杯の紅茶を飲むのです。
「起きはれましたか?藍染たいちょー。」
「あぁ、おはよう。ギン。」
今日も部下の市丸ギンが挨拶をします。
市丸はとっても優秀な部下です。
藍染様にとっては遠い遠い昔、尸魂界というところの隊長をやっていました。
昔はそのギンが自分の副隊長でした。懐かしいものです。
市丸ともう一人、東仙という部下もつれて藍染様は尸魂界を裏切り、虚園の王となったのです。
尸魂界は藍染様の目的を阻止しようと戦いに備えています。
藍染様にとってそれは蟻(あり)の強がりのように見えます。
だけどもその蟻の中で不覚にも藍染様は恋をしてしまったのです。

その人の名は黒崎一護といいます。

彼が好きになった彼は毎日彼を知ろうと努力をしています。
今日も元気にのぞきを始めます。
「ギン、一護くんの部屋にカメラはちゃんとセットしたかい?」
「しましたでー、ザエルアポロが。」
ザエルアポロとは十刃という兵器のようなものの一人です。
藍染様にとって十刃などただの玩具にすぎません。個性がありすぎ、彼らも一護くんが好きなのが藍染様にとっては困りものですが。
「ふふ・・・今日も一護くんはかわいい・・・。」
映像を眺める藍染様はとっても楽しそう。
丁度一護くんは着替えを始めたようです。一枚一枚と衣服をぬぐ映像は藍染様も微笑んでしまいます。
着替え終わると一護くんは部屋を出てしまいました。学校にいくようです。
でも藍染様はぬかりありません。バッチリ盗聴器もしかけたのです。
『一護!さっさと行くぞ!遅れるではないか!』
『うっせぇなぁ。虚退治で疲れてんだよ。』
一護くんは朽木ルキアと話しているそうです。
朽木ルキアとは一護くんと一緒に住んでいるという藍染様の天敵。羨ましいかぎりです。
でも別にかまいません。だって藍染様は朽木ルキアなんぞに彼をとられるわけがないと思うからです。

・・・・・・・。

藍染様は少しフリーズしました。
そして自分の言葉を反復しました。

『・・・一緒に住んでいる?』

藍染様はひらめきました。
そして満面の笑みをこぼしました。市丸はあきれながらもその笑顔を見ていました。
こんな笑顔をするときの藍染様は大体の面倒ごとは自分達に回ってくると市丸は知っているのです。
「ギン!今すぐ一護くんを拉致してきてくれないかなっ!」
市丸の予想は見事に当たっていました。
「・・・また、なんや急に。」
「どうして今まで気がつかなかったんだろう。一緒に住めないなら一護くんがここに住めばいいだけの話じゃないか!」
「でもなんか色々面倒なんちゃいますか?」
「早く頼むよ、ギン!」
人の話を聞かない藍染様ですが、自分の上司なのです。きっちりと命令をきかなければいけません。
市丸はそのまま部屋を出たのでした。

市丸は本当に優秀な部下です。
三十分で一護くんをつれてきました。ロープでエロイ縛られ方をされながら、それでも一護くんはもがきます。
その姿にまた藍染様は欲情してしまいます。
「いらっしゃい、一護くん。よく来たね。」
ガムテープで口をふさがれてる一護くんは言葉の代わりに「んーっ!んんーっっ!!」という声を出します。
「早速だけど今日からここが一護くんの家だからね❤」
「ん――――!!!んんん――――――!!!!!」
「はしゃいじゃって可愛いなぁ、一護くんは❤」
ニコニコの藍染様とは裏腹な顔つきの一護くんが見つめ合っています。
一護くんの場合はにらんでいる、といったほうがいいかもしれませんけど、藍染様は気にしません♪

藍染様は一護くんに部屋を用意しました。
一番広くて綺麗な藍染様の部屋♪それが一護くんの部屋です♪
藍染様は一護くんと過激的な夜を送るために自分の部屋と一緒にしたのです。恐ろしいですね。
一護くんは大反対。当たり前の反応ですね。
「大体!なんで勝手に拉致されて勝手にお前と同じ部屋で・・、つーか俺ら敵だろ!?」
口が解放された一護くんはたまってた言葉を藍染様にぶつけました。
でもその言葉は藍染様にとっては甘い甘い誘惑❤
小さな可愛い子犬がプルプル震えながら強がってほえているようにしか見えないのです。
結局、一護くんと藍染様は同じ部屋となったのです。

さぁ、今日から藍染様はドキドキの毎日です。
カメラは一護くん用のベッドに仕込んでおきました。勿論超小型なので気づかれません❤
これで一日の終わりは彼の寝顔をビデオにとっとき、ずっと見ているのです。もちろん生でも見ています。
まずは手をつなぐことから初めて徐々に「実はいい人」を演じていくのです。
そして、空座町を襲わない、という口約束をして鏡花水月をかけるのです。

きっと一護くんはその魔法にかかるでしょう。
自分の目の前の空座町は平和。
だけども本当はもう何もないのです。

その事実を知ったときの一護くんの顔がどんなのか、藍染様は考えるだけでゾクゾクします。
これから楽しい日々が始まるのです。


あるところに静かなる世界の王がいました。
そこは夜の砂漠のテリトリー、“虚園”。
王の名は、藍染惣右介。


ようこそ、一護くん。



***


初めて書いたよこの口調。
なんかすごい怖いこと考えてるよね、藍染様・・・。
でもこうやって一護は藍染様のことしか考えられなくなればいい。
なんかルキアを敵対視的なものかきましたが、一ルキファンさんすみません^^;
(私一ルキ好きですよ?これでも・・・)

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