私と姉様と猫達の七日間
□金曜日
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≪side斎藤≫
咲華が倒れた翌日
俺は一人で屯所を歩いていた。
総司は咲華に付きっきり、副長や平助、左之達は雪村の手伝いに行っている。
俺も皆の所へ行こうと思っていたのだが、
沖「咲華ちゃんは僕が見てるからいいよ。一君は美咲ちゃんの方に行けば?」
土「手伝うのはありがてぇが、今は四人で足りてるんだ」
平「一君は美咲の面倒見てくれば? その方が美咲も喜ぶって」
原「なんか最近元気ないからなー。傍にいてやれよ」
何かと断られてしまった訳だ。
しかも皆揃って何気に美咲の所へ行けと言ってくる。
何故だと聞いてみれば、
「「「「だって美咲(ちゃん)とは恋仲だろ(でしょ)?」
こちらもまた揃って言われてしまった。
……まぁ、否定する訳でもない、だが……
という事で、美咲の所へ行ってはみたのだが、部屋の布団には彼女は消えていた。
総司に聞いてみれば少し前に部屋を出て行ったと言われ、人目に注意しながら屯所中を探す事にした。
小さい猫の姿だとすぐに物陰に隠れられるから便利なものの、その分いつもの屯所が広く感じられる……
大方廻り終えて、屯所の外にいるのかと思い始めた時、
どこからか美しい笛の旋律が聞こえてきた。
新選組の中で笛を奏でられるのは一人しかない。
俺はその音を追って、その場所を目指した。
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