私と姉様と猫達の七日間

□月曜日
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「にっ、にー
(そ、それはまぁいいとしてさ)」


しばらくして沈黙を破ったのは、藤堂だった。

それに他の四匹は同時に突っ込んだ。


「「「「(全然よくねぇけどな)」」」」

「みー、みー
(俺達が猫になったって知ってるの、俺達と山南さんしかいねぇんだろ?これからどーするんだ?)」

「………
(確かに……)」

「にゃー、にゃー
(猫になっちゃいましたー、って普通に言っても誰も信じてくれないだろうしね。
て言うか喋れないし)」

「……にー…
(じゃあ山南さんが代わりに…)」

「言っておきますけど、私は代わりに説明など面倒な事はしませんよ」

「「「「「「…………」」」」」


言い切る前に頼みの綱に断わられてしまい、六匹はがっくりとうな垂れる。


すると――


『あ、山南さん』

「ほんとだ」

「「「「「!!」」」」」」


廊下の方から人の足音と、聞きなれた声が聞こえた。

その途端、彼らの耳は一気にぴんとなった。


そして、開いたままの襖から顔を出してきたのは、


『おはようございます』

「朝から土方さんの部屋にいるなんて、どうかなさったんですか?」

「咲華君、それに美咲君ですか。おはようございます」


屯所にやっかいになっている巫女の姉妹――咲華と美咲だった。


二人は山南に挨拶の言葉はかけたが、まだ六匹の存在には気付いていないようだった。


「ちょっと用事があったものですからね。お二人も何か?」

「あの…、今日は私と一さんが朝ご飯の担当だったんですけど、部屋に行ってみたら一さんいなかったんですよ」

『私は総司さんを探していたんですがどこにもいなくて。変だなって思って、土方さんなら何か知ってるかなっと思ったんですけど……いないみたいですね』

「「……みー…
(…ここにいるのだが……)」」

「………え?」

『ね…、猫?』


咲華と美咲の言葉についつい土方と斎藤が声を出してしまうと、
二人はようやく彼らの存在に気付いた。


目が合ってしまい、体を固めてしまう六匹。

咲華達は一瞬驚いたものの――


「『か……、

可愛い〜!!』」


満面の笑みを浮かべて駆け寄り、彼らをぎゅ〜っと腕に抱いた。

もちろん六匹達は突然の事に驚き、にゃーにゃーと騒いでしまう。





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