私と姉様と猫達の七日間
□木曜日
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そして――
『……ねえ、みんな何か様子が違うよ? どうかしたの?』
「「「「み〜」」」」
『そんな事ないって感じだけど……本当?』
「「「にゃ〜」」」
『………(怪しいな…)』
美咲の分も含めて仕事をこなしていく咲華だったが、彼女の近くには必ず三匹は猫達が見張っている状態であった。
流石に視線と違和感を感じる咲華は何度か彼らに聞いてみるが、未だに答えてもらっていない。
ちなみに今の仕事は大量の洗濯物を物干し竿に干していく事で、見張りは沖田、藤堂、そして斎藤という組み合わせだった。
「……みゃーぅ…
(ふあ〜ぁ、眠ぃよ〜。こんないい天気なんだから思いっきり昼寝したい)」
「にゃっ
(さぼるな平助。美咲に頼まれた事だろ)」
「みゃ〜
(それは僕もわかってるけどさぁ。やっぱりただ見てるだけなんて面白くないよね。遊んでもらっちゃ駄目?)」
「「にゃー!
(これ以上咲華を忙しくさせてどーする(どーすんだよ!)」」
咲華が仕事をする傍らで、三匹はやはり彼らだけがわかる口論を起こしていた。
実際、やる気があるのは斎藤ぐらい。
とりあえず三匹ずつ交代制で見張っているが、沖田と藤堂と組まされてしまった彼は、早く次の交代を一番望んでいたかもしれない…
口論に気付いた咲華はまだ仕事があるにも関わらず、合間を縫って少しだけ遊んであげたり、声をかけてあげたりする。
本能的にそれに甘えてしまう猫達であったが、本当にどうなる事やら。
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