私と姉様と猫達の七日間

□土曜日
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その日特に仕事が無かった二人は、祭壇を片付けて服を着替えた後自室で猫達と戯れていた。

時たま庭から空を見てみたりするも、何時経っても天気が変わる見込みはない。


「…………」

『……やっぱり、駄目だったのかな?』

「…否定できないわね……決めるのは雨龍様なんだし、私達が決められる事ではないんだから」

『うぅー……何だかもう泣きたくなってきたよー』

「泣くなら結果が分かった後にしなさい」

『……うん』


泣き言を言う咲華にぴしゃりと言う美咲だったが、彼女自身も参ったような表情で空を見上げ、腕の中の藤堂を抱く力を少し強めていた。

その隣で、咲華は沖田に独り言をつぶやいていた。


『むー……ねぇソウちゃん、あなたはどう思う?』

「にゃ?
(何が?)」

『やっぱり、さっきの調は失敗したと思う? 駄目だったらまだ暑い日が続いちゃうんだし……その時はごめんね?』

「にゃー、にゃー
(大丈夫だよ。さっきの君、すごく綺麗だったんだから)」


沖田は言葉を伝える代わりのように、彼女の手の平の上に自分の片足をぽんと乗せた。

その仕草に、咲華は少し微笑んでありがとう、と笑った。


しかし、夕方になるまで天気に変化は無かった。

千鶴と一緒に夕餉の支度をする頃には、二人はもうあきらめ状態となっていた。

すっかり肩を落としてため息ばかりつく彼女達に、何か言葉をかけてあげたくもあげられない猫達も同じくため息をつくばかりだった。


そして――その日の夜


『ね、姉様!!』

「?」


寝る仕度をしていると、咲華が突然声をあげた。

美咲が振り返って彼女が指さす外を見てみると……


「……雨…」

『雨ね!』


はしゃいでいる咲華に対し、美咲はぽかんとなってしまう。

しかし、


「やったわね咲華! 成功だわ!!」

『うん!! 本当に良かった!』


すぐに明るくなって、二人手を取り合い喜んだ。

雨は今まで溜まっていた分を一気に吐き出すかのように、一日中大雨となって地に降り注いだ。



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