私と姉様と猫達の七日間

□土曜日
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そして、翌朝



『わぁ〜、結構降ったね』

「今まで降ってなかった分、一気に降らせて下さったんでしょう」


早くに起きて襖を開けると、そこには今しがた止んだばかりの雲の残った晴れた空があった。

二人が中庭にでると、起きてきた猫達も同じく庭に降りてきた。


「みゃ〜
(まさか本当に降るとはなー)」

「にゃっ
(流石は美咲ちゃん咲華ちゃんだよな!)」


彼らも嬉しくなって庭を駆け回っていた。


「さぁ、雨龍様の恵みに感謝しましょう」

『そうね』


二人は手を合わせ、天の方を向いて頭を下げる。

それが雨を降らせてくれた神様への感謝する印であった。

これで、全て終わったかのように誰もが思った。


だが――ここでまた新たな問題が起こった。


「――ほう、やはりそなた達だったか」

「「「「「「「『!!』」」」」」」」


聞きなれた声が聞こえて振り向くと、塀の上に一人の男が立っていた。

汚れを知らないような黄金色の髪に、羅刹とは違った美しい赤の瞳。


「にっ!
(風間…千景!!)」


西の鬼を統べる存在――風間千景だった。

彼に因縁のある猫達――特に土方と沖田は、彼を見た途端に体中の毛を逆立てた。

しかしそんな彼らを特に気にする様子はなく、風間は軽やかに塀を飛び降りて庭に着地した。

咲華は怯えて一歩下がると同時に、代わりに美咲が彼女を守るかのように一歩前に出て睨んだ。


「どうして、ここに来たの!?」

「聞かれるまでもない。夏は日照りしかない京の都に突然雨を降らせるなど、神鬼であるそなた達にしか成せぬ業だ」


鬼ならわからないはずがない、と風間はゆっくりと彼らの方へ歩く。

美咲は睨む目の力をより強め、猫達も臨戦体勢に入ろうと身構えていた。



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