私と姉様と猫達の七日間
□日曜日
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それから間もなくして――
四人はようやく静かになっていた。
咲華は沖田と、美咲は斎藤とそれぞれ正面に向き合い、布団の上に座っていた。
「「……」」
「『………』」
「えっと……咲華ちゃん?」
『「総司さん、その前に少し時間をください/一さん、先に私から言わせてください」』
「「…はい」」
見事なまでに同時に言葉を重ねた二人に、沖田と斎藤までも思わず揃えて答えてしまった。
そして、咲華と美咲はほぼ同時に息を吸い込むと……
「どうして…」
『どうして……』
「『いきなり消えてしまったのですか!!?』」
「「っ、!」」
『どれだけ心配したかわかっているのですか!? 仕事も沢山あるのに、見廻りは隊士の皆さんに任せっきりで!!』
「幹部が六人もいきなり何も断りもなく消えてしまうなて!! せめて前々に伝えておくか文を残すことは出来たでしょうに!!」
「「は、はぁ……」」
いつもは静かな彼女達が、ここまで怒りを露わにして怒声を放つ様に、男達二人は言い返すこともできず、ただ正面から言葉を浴びるしかなかった。
その怒りの説教は、半々刻はあったのではないかと疑われるくらい永遠と続いた。
そして、ようやく静かになって顔を上げると…
「……っ、…」
『ひっ……、く…』
「「!」」
『さ…し、……った…
寂しかった、です…っ!』
まず咲華が沖田に泣きつき、続いて美咲も斎藤に抱きついた。
二人とも驚かされてばかりだったが、彼女達の泣すがる姿に、ようやく謝罪の言葉が出た。
「ごめんね咲華ちゃん、泣かせちゃって」
『ふぇ…っく……』
「すまなかったな、美咲」
「はじ、め…さん…」
思いっきり思いっきり怒った後に思いっきり泣く彼女達を、彼らは優しくあやすように背を撫でた。
彼女達が泣き終わったのも、またしばらく経ってからだった。
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