私と姉様と猫達の七日間
□日曜日
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そして――
四人は部屋を出て、大広間に来た。
そこには既に土方、藤堂、原田、永倉の四人が同じく人間に姿となって集まっていた。
その事にまだ驚く咲華達に、六人は今までの事を全て話した。
山南の薬によって姿が変わってしまったことから、昨日までの猫としての生活について、全てを。
「…そんな事が……」
『まさか皆さんが猫になっていただなんて…気づけなくて申し訳ございませんでした』
「いやいや咲華達が謝る事じゃねぇって。俺達が勝手に引っかかったんだからよ」
「ひっかかったつーか、飲まされたというかだな」
「俺は左之さん達よりは飲まなかったもん」
「でも平助君だって一本は空けてたよね」
「そ、総司!」
今思い返せば、彼らのこうしたやりとりは猫の姿の時でも同じだった。
それを思い出し、咲華と美咲は思わず笑ってしまった。
「でも、皆さんには感謝しなければならないことが沢山あります」
『私が倒れた時や、昨日の千景様の時も、皆さんのおかげです。本当にありがとうございます』
嬉しそうに微笑む彼女達の笑顔に、六人は思わず顔を赤く染めてしまった。
当初は早く元の姿に戻りたいと思っていたが、二人の笑顔が見れたのだから、あの姿も捨てたものじゃないなとも密かに思っていた。
「よし、じゃあ行くか」
「あぁ」
「そうだな」
「『?』」
和やかな雰囲気の後、土方の一言で六人は頷きあって立ち上がった。
訳がわからない咲華と美咲は首をかしげるが、
彼らはぞろぞろと部屋を出て、廊下を渡る。
ある場所――ある人物がいる部屋を目指して……
「…さぁ、山南さんよぉ、」
あの薬の礼、たっぷりとさせてもらおうか。
その時の彼らは、その事に完璧にまとまっていた。
果たして、全ての原因の元となったとある研究者の運命は……?
〜終わり〜
⇒あとがき