私と姉様と猫達の七日間

□日曜日
1ページ/5ページ


総司さん達がいなくなって、もう何日が経ったかな…?


最初はやっぱり寂しくなったりしたけど、その度に猫達が慰めてくれた。

まるで、総司さん達と入れ替わるように現れた、
私の気持ちを理解してくれている、不思議な猫達

でも、不思議と危ないという印象はもたなかった。

猫が好きだからじゃない。


じゃあ、何故……?

………それこそわからない。


でも、私以上に警戒心が強い姉様も同じだったのだから確かだ。

今まで一緒に過ごしてきて、そうだったんだから。

今日も千景様から守ってくれたのだから。


『…今日はとっても疲れちゃったね、ソウちゃん』

「みゃぅ〜…」

『ふふ、もう眠くなって来ちゃった?』


いつもは別々で寝てるんだけど、今日はソウちゃんと一緒に布団の中に入っていた。

苦しくならないように出来るだけ緩く抱きしめていると、彼の方から擦り寄ってきて、眠そうに目を細めて小さく鳴いた。

私はそれを微笑むのだけれど、それに釣られてか瞼が次第に重くなってきた。

昼間、舞で気力を使ってしまった所為なのだろうか…?


『私も…何だか眠く、なってきちゃった……
姉様、おやすみなさい』

「……」

『…姉様?』


いつもなら帰ってくるはずの声が帰ってこなくて、私は隣のもう一つの布団の方を見た。

こっそり覗いてみると、姉様はいつの間にか既に寝てしまっていた。

“雨乞いの儀”は神楽よりも笛を奏でる巫女の方が気力を必要とされるのだから、疲れて当然だ。

しかも今日の姉様は私よりも先に寝て、ハジメちゃんを抱いていた。

抱かれているハジメちゃんも気持ちよさそうに眠っていて、その様子がとても穏やかだった。


…やっぱり、姉様もハジメちゃん達に支えられてたのかな。


そんな事を思いつつ、私は布団に戻って目を閉じた。

腕の中で微かに動くソウちゃんが、温かくてさらに眠気を誘った。


また、明日良いことがありますよう…


そう願いながら、夢の中へ落ちていった。



.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ