短編小説

□ノアの方舟
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「お前ら、先行ってろ」


「アイツらとは僕達が、やる」


「「「!」」」


「うちの元帥を狙ってるノアだ。何度か見てる」


「僕の夢にも何度か干渉してきたからね」


ズウゥゥゥ……と地響きと共に再び地響き地震が起こった


「地震……っ」


「やっぱり、ここはまだ方舟の内なんさ!」


「そうレロ。ここは、まだ新しい方舟へのダウンロードが完了してないだけの部屋レロ。ダウンロードされ次第、消滅するレロ!」


「レロったら喋りすぎィ」


「カ、カルテたま!」


「はいっ!僕も残ります、神田、恭弥!」


「アレン!」


「みんなはスキを見て、次の扉を探して進んで下さい!僕らもあとから……「お前と二人なんて冗談じゃねェよ」


「神……っ」


「煩い。黙らないとその口、縫うよ」

「オレらが殺るつってんだ」




ジャキィィィン!


顔面を蒼白させるクロウリーとラビ、アレンに対してどこから出したのか雲雀は針と糸を出し、神田は六幻でアレンの頬を通過させると髪が少し切れた



「とっととうせろ。それともお前らから斬ってやろうか?あ?」


「あぁ、そんなに烈火の餌食になりたかった?だったら単刀直入にそう言えばいいのに

希望通り──第一制御、解除……」


「えっ、ちょっ……鬼や般若が出てるんですけど……」


「カ、神田さん……」


「ヒ、雲雀さんも……」


「ほ、本気……?」


「(こいつら、仲間脅してるレロー)」


「界蟲一幻!!」


「煉獄!!」



「どわ──っ」


「ちょっ?やめっ」

「神田!!」

「恭弥っ!熱っ、熱いさ!」

「痛ーっ」

「死ぬっ、死ぬよ!?」

「「ぎゃぁああぁああっ」」


ジュアアア……と地面が抉れ、命からがらアレン達は逃げた


「「かっ、神田(ユウ)と恭弥のバカ────!!」」


「殺す気か、アホー!!」

「人でなしっス」

「鬼畜め」

「鬼、般若!」


「み、みんな神田と恭弥君は……」


「なんレロ、こいつら……」



「もー知らねっ。神田と恭弥なんか置いてってやる──────!!!」



「「はあ……」」


アレン達が口々に訴えていくのを見ながら神田と雲雀は顔を見合せ溜め息をつく


「あっ、タメ息ついてるよ」


「オレらがつきてーっつーの!
ったく、やってらんねーさ!」

「怖いッス、あの人達」

「なんて自分勝手なんだ!心配して損したのはじめてだよ」


「(も〜〜)神田っ、恭弥君っ」


「……」


「二人とも、ちゃんと、あとでついてきてね」


「「…………」」


「……絶対だよ」


返事をしない二人にリナリーはムスッと頬を膨らませた


「返事しなさい!!」


「「Σ!!」」


「わ、わかったから、早く行け」


「(び、吃驚した……)……ちゃんとリナ達と合流するから……だから、早く行ってなよ「おいおい、お前ら。ゴチャゴチャ、うるせェぞ」


雲雀と神田は渋々伝えると我慢できなくなったのかスキンが形態を変えた


「!!」


「スキンって短気ィ〜」


「(六幻)いくぞ」


「烈火、第二制御、解除……」


「ライ ライ ライ

雷!!」


「氷柱剣戟(アイス・ライン)!」


「行くぞ」


「(こくっ)」


「二幻──八花螳蝋」


「業火──旋回」


神田は六幻を奮いスキンに向かって剣戟を繰り出し、その背中で雲雀は一本の刀を作り出した


「神田、恭弥……っ
追いかけてこなかったらぶっとばしますよ!」


「エクソシスト様、あそこに別の建物が!!」


チャオジーの言葉と共にアレン達はその場を離れて次の扉に入っていった



「(やっぱり、これじゃあ傷ひとつ無しか)
カルテ・フォーロ……この前の借り、ここで返してあげるよ」


「大丈夫ゥ?恭弥ってば、自分の命の残量、分かってんのォ?」


「……無駄口叩く暇があったら、手を出しなよ。咬み殺してあげるから」


「え、もう終わらせちゃうつもりィ?もっと遊ぼうよォ」


「誰が……「自分の正体、感づいてるでしょゥ?」!!」


「神田ユウ、恭弥ってね、本当は──「言うな!」……知りたいんじゃないのォ?」


舌を小さく出しながらカルテは微笑むと雲雀は冷や汗を流しながら怒鳴り付けた



「──《可哀想な恭弥》」


「っ!だ、まれ……っ」


「《神田ユウに成れなかった君》を可哀想って言わなくて、どう形容したらいいのォ?」


「何だと…?」


「クスッ……《神田ユウと雲雀恭弥は異世界の同一人物》ってやつだよォ
だから俺達は執着するんだけどさァ」


「…な、…で………?」


「ん?」


「なんで……今、言ったの……このままじゃ、ユウに……っ」


「嫌わねェよ」


静かに、しかし凜とした声音で神田は告げた


「!!」


「お前は雲雀恭弥だ
俺はそんなに泣き虫じゃねぇ。それに、俺とは別に存在してるじゃねぇか」


「面白くねぇな《造られた使徒、神田ユウ》」


「テメェ……!」


「……ユウ、僕……吹っ切れたよ
僕だってユウは他の誰でもない。神田ユウは、ちゃんと存在してる
だから……今は君達ノアを倒すことに専念する!!」


「だったら、俺もそのつもりでいってやるよォ
おい甘党、《神田ユウを壊せ》」


「己に命令するな」


「じゃあ俺が貰うだけだァ。恭弥、始めようぜェ?」





────END
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