宵闇と大空

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『テイカー、いるー?』


「………」


麻宵の呼び掛けに返ってきたのは静寂
それに構わずドアを開いた麻宵に雲雀と綱吉は首を傾げる


「麻宵、いないんじゃ…」


『いや、いるよ?
恭弥、見つけてごらん』


「……棺の中…?」


『正解。ってことで出てきなさい、テイカー!』


「ヒッヒッ…そんなに慌てなくても出るよぉ
麻宵、久しぶりだねぇ…」


『相変わらずの悪趣味
彼は葬儀屋(アンダーテイカー)。表は葬儀屋で裏は情報屋
……僕が来た理由、彼らの名前、知ってるでしょ?』


「もちろんだよ
元ボンゴレ10代目、沢田綱吉とその雲の守護者、雲雀恭弥…小生は一度会ってみたかったんだよ…
だから今回は特別に情報料はタダにしてあげるよ」


『あっ、ラッキー♪
ボンゴレの奴ら、イギリスに来てるんでしょ?』


「「!?」」


「麻宵、どういうこと?」


『そのままの意味だよ
イギリスに少し違和感を感じたんだ。まるで害虫が中に入り込んでいるみたいに…気に入らない』


「確かにそうだねぇ…
今はここから少し路地裏に入ったところの宿にいくつか別れているみたいだよ
でも人数は少ないから大丈夫だろうねぇ〜」


ヒッヒッと笑いながら葬儀屋は宿の位置や人数を伝えていくと麻宵の口元が歪んでいく


『そうか…近くにアルコバレーノかぁ…楽しみだなぁ!』


「ヒッヒッ…運動にはちょうどいいだろうねぇ〜
でも小生はボンゴレの葬儀は遠慮するよ…
麻宵の敵に回ったものは柩に入れない主義だからねぇ〜…」


『あんなもの、柩に入れたら柩が腐るってば
セバスが迎えにくるから表に出よっか!』


「もういいの?」


『うん!僕がここに来たのはテイカーに逢わせる為とこの情報だけだからね』


「そうなんだ…」


『ほら、時間厳守じゃないとセバスに怒られるから』


麻宵が葬儀屋から出るとセバスチャンが馬車の前に立っていた


『セバス、先に行ってて
僕は挨拶してくるよ』


「どこに行くの?」


『アルコバレーノと躾のなってないイタリアンマフィアを追い払ってくるよ』


「あ、危ないよ…!
オレ、麻宵に傷ついて欲しくないのに」


『大丈夫だよ。僕は争うつもりはないからね!
ほら、シエルも待ってるから早く行っておいで。セバス』


「分かりました
ご夕食までにはお戻り下さい。今宵のご夕食は懐石料理ですので」


『わぁ、やったー!
じゃ、よろしくね』


麻宵は綱吉達を乗せた馬車を見送って身を翻した
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